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四十.
「っくぅ、んっ……」
涼はもうずっと与えられる責め苦に、耐えていた。
洋平の与える、甘い責め苦にーー。
「あ、あら……いっ、も、もうっーー」
ぐちゅぐちゅと自分の下から聞こえてくる音が涼の羞恥を最大限に引出し、堪らずに皺くちゃになったシャツの絡まる両腕に顔を伏せる。
ソファの上で腰を高く上げてうつ伏せた涼の足元には、洋平がもうずっと同じ体勢で座っていた。ソファに座り、涼の下半身を抱えるように。
脱がされたのは下だけで、ボタンの外れたシャツは未だに涼の上半身にはだけたまま肩辺りに引っかかっていた。恥ずかしいポーズを取らされ、恥部を洋平に晒し、逃げようとしても腰をしっかりと片腕で固定されてそれも出来ないまま。
あれだけ逞しく存在を主張していたにも関わらず、洋平は自分のモノには触らずに、ひたすらに涼の下半身だけを弄る。
経験はあるものの、ここ一年は優に使っていなかった涼のそこは堅く閉じていた。
だが、もうすでに丹念に解されたそこは、容易に洋平の二本の指を受け入れている。
最初そこを舐めようとした洋平を、涼は全力で拒否した。そしてしぶしぶ洋平が取り出したのは、携帯用のローションで。それに気づいた時、涼はもやもやとしたものが胸に広がったものの、結局そのおかげで頑なだった後孔がどうにか洋平の侵入を許したのだ。その最初の衝撃と圧迫感から、ずっと涼の意識はそこへ集中している。
「んー……俺の、この指よりでかいよ? もうちょっと頑張って、先生」
ちゅっと涼の丸みを帯びた白い肌に唇を落とし、洋平はずるっと差し込んだ指をギリギリまで引き抜き、再び捻りを入れながら涼の肉壁を押し広げた。その時にわずかに広げた指先が、ある箇所を掠める。
「ゃあぁっ!」
びくんと跳ねる涼の腰を支え、洋平の指が二度、三度、立て続けにそこを掠めるように撫でるのだ。
「っう、んんっ、んふ……っ、な、なん、でっーーんぁっ」
洋平はその場所が前立腺だと気付いているはずなのに、そこを直接弄ることはせずに、こうやって焦らし続けている。
涼の分身からはもうすでに先走りが垂れソファを汚しているというのに、解放に辿り着くには最後の決めてに欠けるのだ。そのせいで溜まった熱は身の内にとぐろを巻き、出口を求めて涼の体をびくびくと震わせる。
「……イきたい? 先生」
ちゅ、じゅ、と洋平が指を動かす度に音を立て、ときおりそこに涼の零したぬめついたそれが足された。
洋平に与えられている全てが、今の涼の感情、衝動、快感を支配する。
翻弄されているにも関わらず、望むものを与えられない涼は、自分の腕に額を押し当て啜り泣くように喘ぎながら、何度も頷いた。
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