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四十二.
「んっ……苦しい? 先生––––」
洋平の感極まったような掠れ声に、涼はこくこくと頷いてみせた。
下腹部どころか、腹を突き破られそうな感覚に、涼は慄き涙目で自分の横につかれた洋平の腕に縋りつく。
「あ、ぬ……ぬい、て––––」
誘い入れたのは涼本人だというのに、その凄まじい存在感と入口のじんじんとした痛みに弱音を吐きだした。だが、洋平は涼の首筋に唇を落とすと、そこをぞろりと舐め上げ、熱い息を吹き付ける。
「無理……。先生の中、めちゃくちゃ熱くて、俺のに絡みついてるよ––––こんな気持ちいいのに……先生……ほら、これで、良いだろう?」
洋平が上体を伏せ、涼の胸に手を伸ばして先ほど散々弄った小さな粒を再び押しつぶす。
「っ、やぁ––––」
ぎゅっと押されたかと思えば、楽しむようにつめ先をカリカリと引っ掛けられ、涼の体の奥からじわりと快感が滲み出した。
「ん––––中、うねった。先生、乳首好きだよな」
揶揄うように含み笑いをする洋平に、涼はいやいやと子供が駄々をこねるように首を振って見せる。すると、それに抗議するように洋平は両手を使って乳首を責め始めた。
くりっと摘み、指の腹で擦り上げたかと思えば、それをぐいっと引っ張り。優しく撫でたかと思えば爪が埋まるほどに赤い粒を押しつぶす。その度に涼の腰が小さく跳ね、その口からは歓喜の甘い声が上がるのだ。
「や、あっ、んんっっ」
「気持ちいいよね、先生……。この中、すごい俺の締め付けてくる––––ね、動いていいよね? もう俺も、限界……」
「あっ、待っ……っんっっ––––」
涼の制止を聞くことなく、洋平はずるりと引き出した楔を再び肉壁を押し上げながら中へと侵入する。今度はそこで止まることなく、洋平の抽送が始まった。
パンパンと肌と肌が勢いよく叩きつけられる音が響き、そこに涼の喘ぐ声が重なる。
「あっ、あっ、やぁっ、んっっ」
ぎゅっと目を閉じ、ソファに顔を押し付けて快感を逃そうとしても、下腹部からじわじわ湧き上がる衝撃も甘い痺れも自分ではどうしようもなくて、涼の声は絶え間なく出てしまう。
「せん、せいっ……気持ちい?」
洋平が動きを止めることなく、涼に問いかけるが、その下で喘ぐ男は嫌々と首を横へ降り続ける。それに呆れた洋平が、ぐりっと中のある一点を思い切り抉った。
「あぁぁぁっっっ!」
ひときわ高い涼の声が上がり、びくびくと腰を震わせるが、洋平は容赦なく何度も同じ場所を狙って腰を突き入れる。
「やぁっ、そ、こっ、ダメ、だっってぇっ」
中の膨らんだ箇所を、洋平の先端が抉り刺激を与えていく度に、びくびくと全身が跳ね、動きに合わせてふるふると前後していたものから透明な雫が飛び出していく。
「いい、でしょ? だって、先生……腰、動いているよ。––––ほら」
その言葉を証明しようと、唐突に洋平が腰の動きを止める。だが、涼への刺激は止まらない。なぜなら、自らその場所を狙うように涼の腰が洋平を飲み込み、腰を前後に揺すっているからだった。
「あ、あっ、やあっ––––」
あまりの恥ずかしさに涼は咽ぶように啼き声を上げる。そうしながらも涼の腰はいいところに洋平の長大なものを飲み込もうとゆらゆらと動き続ける。
年下の男の前で淫らに腰を振っていることが涼の羞恥を増大させる。
それでも助けてくれるのは、自分の背後に涼を眺める男しかいない。
涼は、首を捻り後ろの男を仰ぎ見ると、懇願した。
「たの、むっからぁっ、動い、てぇ」
その涼の願いを洋平はすぐに叶えてくれた。
涼の体を引き、どさりと仰向けに寝かせ、その両脚を高々と抱え上げて––––。
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