12 / 31
第12話
「せっかく映画楽しめたのになぁ、」
ぼそりと裕介が言葉をこぼす
「まあ、こればっかりはなったことだししょうがないって」
あははっと省吾が笑う
省吾の笑顔に周囲の人達が見とれたように見ていた
「それより裕介大分よくなってきた?」
と、省吾はぐいっと身を乗り出して裕介の顔色をうかがう
その顔が近くてドキッとする
まっすぐな目から、真剣に心配してくれている事が分かるが、
(なんか大分一緒にいるようになって見慣れてきたが、省吾の顔綺麗だもん)
なんとなく照れくさくて顔をプイッと反らす
「ゆーすけ?」
と言って両手でがっちり顔を省吾と対面させられる
「なっ、なんだよ」
焦りを含んだ様な返事に省吾が思わず笑ってしまう
「ははっ、顔近くてドキドキしたの?」
からかう様な笑みを浮かべ、なおも顔が近づく
(はっ!鼻ぶつかる!!!)
裕介は本気で焦り2人の間に手を入れる
すると、裕介の手に省吾の顔が当たり唇や頬の柔らかさが伝わる
(!!!)
「おっ、お前何やってんだよ!」
ふるふると顔を真っ赤にさせて文句をつく
「だってゆーすけの反応面白いからね、今だって顔真っ赤 かーわいー」
「マジでビビったから!」
あはははっと周りに笑い声が響き渡る
ともだちにシェアしよう!