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第12話

「せっかく映画楽しめたのになぁ、」 ぼそりと裕介が言葉をこぼす 「まあ、こればっかりはなったことだししょうがないって」 あははっと省吾が笑う 省吾の笑顔に周囲の人達が見とれたように見ていた 「それより裕介大分よくなってきた?」 と、省吾はぐいっと身を乗り出して裕介の顔色をうかがう その顔が近くてドキッとする まっすぐな目から、真剣に心配してくれている事が分かるが、 (なんか大分一緒にいるようになって見慣れてきたが、省吾の顔綺麗だもん) なんとなく照れくさくて顔をプイッと反らす 「ゆーすけ?」 と言って両手でがっちり顔を省吾と対面させられる 「なっ、なんだよ」 焦りを含んだ様な返事に省吾が思わず笑ってしまう 「ははっ、顔近くてドキドキしたの?」 からかう様な笑みを浮かべ、なおも顔が近づく (はっ!鼻ぶつかる!!!) 裕介は本気で焦り2人の間に手を入れる すると、裕介の手に省吾の顔が当たり唇や頬の柔らかさが伝わる (!!!) 「おっ、お前何やってんだよ!」 ふるふると顔を真っ赤にさせて文句をつく 「だってゆーすけの反応面白いからね、今だって顔真っ赤 かーわいー」 「マジでビビったから!」 あはははっと周りに笑い声が響き渡る

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