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第21話

扉を開けると窓際に省吾が立ち こちらに背を向けている 「適当に楽にしてくれて構わないよ」 省吾の声からは感情が読み取れなかった いったい今どんな心情なのか、それは本人にしか知ることができない 「ドア開けてくれてサンキューな、」 「ああ、裕介、俺どんなこと言われても受け入れるから俺に気を使わなくていいからな」 彼なりの男の意地 「わかってる」 (ほんと、見た目に似合わず男前だな……) すうっと深呼吸をして俺の正直な気持ちを言葉にのせていく 「さっきの省吾の告白すっごいびっくりした。 俺の事からかうつもりでの言葉だと思いもしたけど、省吾の顔見てたら本気なんだなって思った。」 少し省吾が強ばっているように見えた 自分も緊張していて人の事言えないけど 「正直言われて嫌だなとかは思わなかった、ただただ驚いた。まさか省吾が俺のこと好きだなんてって」 省吾の手が強く握られているのが見える ぽつりぽつりと言葉を紡ぐ俺 「俺、省吾のこと好きだよ。これがどの好きかはまだ分かんないけど、生々しい話であれだけど、省吾とならキスとかできそうだなっては思う」 少し照れ臭くなりながら笑うと 省吾がこちらを振り向いた 外からの光で逆光で省吾の表情は見えなかった 「こんな答えじゃ駄目かな?」 ははっと笑うと省吾が俺に抱き付いてきた……

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