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7 部活

 部室に入ると、部長が待ち構えていたのかのように僕を呼んだ。 「渡瀬君! まだ先なんだけどさ、文化祭で展示する作品制作の事、ちゃんと考えておいてね」 「あ、はい」  毎年行われる文化祭。美術部は作品の展示をするのが恒例だった。勿論参加は自由。だけど部員が少ないせいで、全員何かしらの作品を出さなければならなかった。 この話は入部した時に既に聞かされていたけれど、いざ文化祭が近づくにつれ、何をやろうか悩んでしまう。中々やる気も湧かないので、文化祭のことは一先ず置いておいてデッサンでもしようかと席に着いた。  作業をしているときは比較的無心に近い。周りも気にならなくなるこの空気が心地良い。カリカリと鉛筆を走らせながらなんとなしに見た窓の外に、先程ぶつかった金髪の男が立っているのが目に留まった。  派手な頭が陽の光にあたって余計に目立つ。思わず手を止め、僕はその男に見入ってしまう。 「あんなところで何やってんだろ?」  気になって見ていると、もう一人派手な感じの奴がやってきてその場で何か話し始めた。もう一人の方は色が白くて、やっぱり明るい髪色で、その髪はお洒落にセットしてある。  二人とも今まであまり関わったことのないタイプの人達で、なんだかちょっとカッコイイな、と思ってしまった。  大人びた風貌だし、二人は先輩なのかもしれない。あの髪の色とか着崩した制服とか、明らかに校則違反だろう。それにしてもあの先輩は、何を食べたらあんなに背が高くなるんだろう。色々考えながら僕は二人に目が釘付けになっていた。  徐に大きな男の方がこちらを見た。目が合ってしまって少し焦る。そんな僕の気持ちを察してか、先輩らしき大男は僕に向かってウインクをしながら手を顔の横でパタパタさせた。  変な人……  きっと僕はからかわれたんだろう。でも、これといって嫌な気分にもならず僕はまたデッサンを続ける事にした。  これが僕と(あまね)さんとの最初の出会いだった ──

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