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40 確認と自覚
「あぁっ、待って……ふっ……ん……いやっ」
周さんが僕を弄るのをやめてくれない。もう僕は腰のあたりがムズムズぞわぞわして、なんとも言えない変な気分になってしまった。段々と周さんの息が荒くなり、僕のシャツのボタンに手がかかる。ネクタイに指をかけ、それを緩めながらひとつひとつ周さんがボタンを外していった。そしてシャツを捲り上げ、露わになった僕の肌に直接唇を落とす。
あぁ……この感じ。
なんでこんなにも嬉しいんだろう。あの時とはまるで違う。ドキドキと心臓が飛び出しそうで、とても恥ずかしいのに、凄く嬉しい。
でも、ふと頭の片隅にあった疑問が湧き上がった。一度そうなってしまったらもう聞かずにはいられない。
「あ、周さん?」
僕は周さんの手をとり、行為を遮る。
「……なんだよまた。嫌なのか?」
「嫌じゃないです。嬉しいんだけど……でも、僕わからないことがあるんです」
僕を見る周さんはちょっと不満そう。
「僕を襲った奴が、付き合ってるやつはいないんだろ? って聞いてきたんです。僕は周さんとまだ付き合ってないし……でも、キ、キスとかしちゃってるし、僕は周さんの事が大好きだし……だからよくわからないんです。僕はなんなんですか?」
「……は? 」
「僕は……僕らはなんなんですか?」
周さんはキョトンとして固まってしまった。
「今更かよ! 竜太? お前、俺のものになれって言ったろ? その時点で俺はお前と付き合ってるつもりでいたんだが……違うのか?」
「ふふ、だって男同士だよ。おかしいね、僕たち」
周さんは僕と付き合ってると思ってくれてた! 嬉しくて思わず笑ってしまう。そうか……僕たちちゃんと付き合っていたんだ。
僕らは恋人同士──
僕がくすくす笑っていると、呆れたような顔をして周さんは抱きしめてくれた。
男同士だけど……ちゃんと付き合ってる。周さんは僕の恋人。
僕は周さんが好きだから。
生まれて初めての気持ちなんだ。
はっきりと自覚ができた僕は幸せだった。
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