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50 陽介と圭の部屋
「なあなあ、圭ちゃん。結局こうやって一緒の部屋で過ごすんならさ、あんな部屋割り発表しなくてもよかったんじゃない?」
圭ちゃんはチェックインの時、部屋割りを自分で決めた。俺と康介、竜太君は部外者だし一つの部屋に。周と修斗、圭ちゃんと靖史がそれぞれ同じ部屋に……というのはわかるんだけど、周だって竜太君と過ごしたいからあんなに必死に「竜太も連れて行く」って煩かったんだし、俺だって圭ちゃんと二人で過ごす時間が欲しい。結局こうやって靖史に譲ってもらって圭ちゃんと二人で部屋にいるんだから、初っ端から俺達と周達は別部屋でよかったんじゃないかと思ったんだ。
それに──
「いや、だってさ……あからさまでちょっと恥ずかしいだろ?」
圭ちゃんは恥ずかしくてああ言ったのはわかっていて、わざとそう聞いて反応が見たかったんだ。ちょっと意地悪。赤くなって照れてる圭ちゃんが可愛くて抱きしめたくなる。
みんなの前だと男前。俺の前だと可愛さ全開。俺しか知らないこういう表情は特別。
圭ちゃんはそんな俺の魂胆がわかってか、ちょっと口を尖らせギターを弾き始めてしまった。怒っちゃったかな? これが始まると長いんだよな。それでも弾きながらでも会話できるからいいんだけどね。
「ねぇ圭ちゃん? せっかくこの部屋、露天風呂付いてんだからさ……一緒に入ろうよ 」
「…………」
聞こえなかったのか、無視してるのか、返事はない。
「ちょっと? 聞いてる?」
「……なんだよ、陽介のエロ」
顔も上げずにポツッと呟く圭ちゃんを見て、照れてるんだとわかり安心した。
「いいよ、わかった。俺一人で入るからさ。のんびり夜空の星でも眺めてるよ。気が向いたら来てね」
俺は圭ちゃんにそう言って一人露天風呂へ行った。
部屋に露天風呂なんてどんだけ贅沢なんだろう。好きな人と気兼ねなく一緒にいられて最高のシチュエーション。湯に浸かり空を見上げると満天の星空だった。
少しすると、腰にタオルを巻いた圭ちゃんが入ってきた。
「なんだよ、一緒に入るの嫌なんじゃなかったの?」
「……そんな事言ってないし」
圭ちゃんは俺から少し離れて湯に浸かった。
「圭ちゃん、こっちおいでよ」
俺は強引に圭ちゃんを引っ張り、後ろから抱き込むように俺の前に座らせる。恥ずかしがってるのはわかってるから、少し強引な方がいいんだ。圭ちゃんは俺より小さいからこうしていると俺の両腕にすっぽりと収まって密着できる。家の風呂でもこのスタイル。圭ちゃんの頸が徐々に赤く色付くのをじっと見つめた。
細い首……白い肌。
俺が触れるとほんのりと汗ばみ吐息が漏れる。俺なんかより圭ちゃんの方がずっとエロい。何かを言おうと振り返った圭ちゃんに、俺はすかさずキスをした。
「んっ! んん……っは! あ、こらっ!……おい、待って……ダメだってば」
圭ちゃん、ちょっとキスしながら乳首弄ってるだけなのに大慌てで俺から逃げようと必死。真っ赤になっちゃって可愛い。
「よ……陽介、やめて……あっ、後ろからだと……んっ、ダメだって……ああ……んっ」
そんな可愛い声出されたら余計に虐めたくなっちゃう。部屋専用の露天風呂とはいえ隣も同じ作りで露天風呂があるのを知っているから、声が聞こえないように堪えているのがいじらしくて加虐心を煽られる。
「ここじゃのぼせちゃうから、部屋戻ろっか?」
「……うん」
俺は既に力が抜けてしまっている圭ちゃんをお姫様抱っこしてベッドまで運んだ。
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