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51 周と酔っ払い
「ねえ、あまねさーん、待ってってば」
異様に陽気な竜太の声。振り返ると、ふらふらしながらペタペタとスリッパを鳴らしこちらに歩いてくる竜太の姿。目が合うなりフニャッと笑ってよろけてコケそうになっている。
もしかして酔っ払ったのか? 先程修斗にカクテルの缶を渡されてゴクゴク飲んでいる姿を思い出した。よく見ると片手にはその缶を持っているし、間違いなくあれは酔っ払いだ……ちょっと面白い。一生懸命にもつれる足を前に出し俺に向かって歩いてくるのを待っていると、やっとたどり着く寸前に、ぽふっと俺の胸に飛び込んできた。
「あまねさん、つっかまえた〜!」
なにこれ? 竜太ってこんなに可愛かったか? 俺にしがみつき、頭をグリグリ擦り付けてくる竜太に声をかける。
「おい、大丈夫か? そんな飲んでないだろ?」
手に持ってる缶を取るとまだ半分以上も残っている。マジか……と俺はフラつく竜太を抱えて部屋へ向かう。
俺に抱きついたままの竜太が上目遣いでじっと見る。しばらくの間見つめられちょっと戸惑う。なんなんだ?「どうした?」と言おうとしたら「大好き!」と元気に言われてしまい、ビビった俺は「あ、ありがと」と間抜けな返事をしてしまった。
「周さーん、周さんっ」
ニコニコと俺に掴まり背伸びをする竜太。顔を上げ、目を瞑って……もしかして、もしかしなくてもこれは俺にキスしようとしているのがわかる。嬉しいけどまだここ廊下だし!
「待て竜太!……部屋入るぞ」
慌てて俺はふらふらする竜太を引っ張りなんとか部屋に入った。部屋に入るなり竜太は俺にぶら下がるようにしてキスをせがむ。
……参ったな、可愛いがすぎる。
調子狂う、と思いながらご要望通りに竜太に口付けると、満足そうにニコッと笑った。
「周さんは〜、そのままね……」
「……?」
俺に抱きつき竜太はグイグイと押してくる。何がしたいのかよくわからなかったけど好きにさせてみた。竜太はふんふん言いながら俺を押すもんだから、二人して後ろにあるベッドにゴロンと倒れてしまった。
なんだ?
倒れた俺に竜太は馬乗りになり抱きついてきた。そのまままた唇を重ねてくる。竜太の熱い舌が俺の中に入ってきて可愛くペロッと舐められた。俺の耳元で「あまねさん、大好き…… 」なんて囁くから、ゾクゾクしてしまって堪らない。思わず「あっ」だか「うっ」だか変な声が漏れてしまった。息を荒くして竜太が俺の体を弄り始め、初めて竜太が何をしようとしているのかを理解した。
「待てって、おい……」
俺は竜太の手首を掴み、自分に引き寄せ強引に組み敷いた。
「……あっ! 周さん、……だめ、 僕が……あんっ」
竜太のシャツを無理矢理脱がせ、直接肌にキスを落とす。力が入らないのか、くねくねと小さく体を捩らせ、竜太は抵抗している。
「はぁ……あん、今日は……僕がっ、僕が周さんを気持ち良くさせたいのに……ダメです……」
何を言ってんだ? こんなこと竜太はしたことがないだろ?
「……じゃあ、何かしてくれるの? 竜太 」
俺は攻める手を止め竜太に聞くと、竜太は黙って俺の首に腕を絡めてキスをしてきた。ぎこちないけど一生懸命舌を絡めてくるのでそれに応えると、また竜太は俺の上に乗り、キスをしながらシャツのボタンを外し始める。竜太は酔うとエロくなるのかな? 意外だなあ、なんてぼんやり思いながら、俺はされるがまま竜太の愛撫を受けることにした。
俺を弄る竜太の手はぎこちなかったけど、やっぱり好きなやつにこんなことをされればどんどん気持ちは昂ぶってくるわけで、時折変な声が出てしまいそうになるのを慌てて抑える。キスばかりしてくると思ったら、今度は首筋、胸へと移動していく。徐に乳首を舐められ思わず声を出してしまった。
「周さん……気持ちいい?」
「んっ……」
まさか竜太に攻められるなんて……と少し戸惑っていると、竜太にズボンを下ろされる。驚く間も無く露わになってしまった俺の勃起したそれを、なんの躊躇もなく竜太は掴み優しく扱き始めた。
「ちょっ! おい……んあ! 」
「……周さん、カッコいい……」
この状況に頭が追いつかない。信じられない……俺は竜太に何をされてんだ? ちょっと待て? 初めてなのにこんな躊躇いもなくやるものなのか? 竜太に扱かれてると思うだけで、もう何かこみ上げてくるものがある。
「周さん、もっと声聞かせて……気持ちい声、聞きたい」
不意に生温かい感触に包まれ、まさかと思い見てみると竜太が俺のを咥えこんでいた。
マジか! 酔ってるからって初めてなのにフェラまでするか?
「おいっ!……うわっ……あっ!」
いやらしい音を立てながら竜太が口を上下させる。時折上目遣いで、確認するように俺を見上げた。
本当に参ったな。イきそうだ。
竜太は俺の反応を知ってか知らずか、色んな角度から舌を這わせる。本当にヤバいって……気持ち良すぎる。
「うあっ、り……竜太、待って……だめだって……イくから、あっ……やめろっ」
俺はすぐに堪えられなくなり、あっという間に竜太の口の中で果ててしまった。
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