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62 お仕置き

 少し遅れて靖史さんと修斗さんも部屋に来た。 「なんか今騒がしくなかった? 気のせい? ところで昼飯どうする? どこ行く?」  時計を見るともうお昼時。あんな事があったから僕は食事をする気分じゃなくなってしまった。 「あ、俺らは今日はいいや。すみません……みんなで行って来て下さい」  周さんの言葉に「何だよどうした?」と聞いてくる修斗さんを圭さんが引っ張り、皆んなは食事をしに出かけていった。 「周、昼飯食ってから三時くらいまでまたスタジオにいるから適当に来いよ」  圭さんに言われた周さんは、「はいはい」と適当な感じに返事をする。きっと行く気はないんだろう。やっぱりまだ怒ってるのかな……僕は口数が少なくなってる周さんをそっと見つめた。 「……竜太。心配ばっかかけやがって」  周さんが力強く抱きしめてくれる。周さんの腕におさまった僕はほっと一安心。ほんと心配ばかりかけてしまってごめんなさい。 「ごめんなさい。気をつけます」  周さんが僕の額にチュッとキスをして、優しく微笑んでくれた。そして笑顔で僕の両頬をむにっと掴むと、「一つ納得いかない事がある」と言い出した。 「なんで康介と二人でデートしてるわけ?」 「ふえっ? デエト……?」  康介と二人で出掛けてるなんて知らなかったし聞いてない! と周さんは怒ってる。 「コソコソしやがって! なんで俺に言わねえんだよ」  あ……それは。  どうしよう、もう言っちゃおうかな。言わないと怒られるし、てかもう怒ってるし。 「い、言うから頬っぺた、離してください」  周さんが僕の頬をスリスリしながらジッと見ている。やだな、恥ずかしいや。 「この旅行が嬉しかったから、僕、何か周さんとお揃いで記念になる物が欲しくて。周さんに内緒でプレゼントしたかったから康介に付き合ってもらって買い物をしてたんです」  僕は言いながら恐る恐る周さんの顔を見る。 「え……ほんとに?」  みるみる嬉しそうな顔になった周さん。 僕は先程買ってきた袋を周さんに手渡した。本当は帰りにでもこっそり渡そうと思ってたんだけど、まあしょうがない。 「キーホルダー、邪魔じゃなかったら、その……ギターケースにでも付けてください」 「ありがとな! すげえ嬉しい!」  満面の笑みで周さんは僕の頭をわしゃわしゃと撫でた。喜んでくれてよかった。嬉しそうな周さんを見て僕まで嬉しくなってくる。 「あのね、僕のはこれ。鞄に付けようと思って買ったんです」  お揃いで買った僕のも周さんに見せると、「お揃いって照れくせえな」と言って頭を掻いた。 「……でも! 康介と二人でデートってのがなんか気に食わない! お仕置き!」  急に周さんがのしかかるように抱きついてきて、僕の顔を掴んでキスをしてきた。ちょっと待って? えっ? 急な事でびっくりしているとあっという間にベッドに押し倒される。キスもなかなかやめてくれない。音が出るほど僕の舌に吸い付いたり絡めたり……恥ずかしいしドキドキしちゃう。キスをされてるだけなのに、不思議と腰のあたりがムズムズしてくる。慣れないこの感じが段々と気持ち良さに変わっていった。 「あっ……」  周さんに乱暴にズボンのベルトを外され、服の上からグッと握られる。勃起してるのがわかっていたので急に握られてしまい恥ずかしかった。 「……なんだよ、もうこんなになってる」  キスだけなのに、周さんにはっきり言われてしまって恥ずかしくて顔を背ける。 「俺の手、気持ちいいの? 竜太の声聞かせろよ……」  周さんが耳元でそんなふうに囁くから、どうしてもぞくっとして声が出ちゃう。 「あ……はっ、周さん…… 」  熱く舌を絡めながらキスをして、そのまま周さんにズボンも下着も下ろされてしまった。周さんの手が今まで触れられなかった場所に直接触れた。 「あっ……あ! あん……やだ」  先端からじわじわと溢れてくるのがわかる。周さんに扱かれる度にクチュクチュと卑猥な音が耳について、恥ずかしさで消えたくなった。 「あ……周さん、待って……ああ、やっ!……あっ、あっ! なんか……なんか出ちゃう」  お腹の真ん中に熱が集まる。今まで経験したことのない感情が溢れ出てくる。激しく襲ってくる快感に恐怖すら覚える。そのまま周さんに扱かれて絶頂に達してしまいそう…… 「だめだよ、まだイっちゃ……」  そう言って周さんは僕のそこをギュッと握るとニヤリと笑った。

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