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お化け屋敷で……

僕は周さんのクラスに行きたかったんだ。でも周さんのクラスは何をやるのか聞いてなかった。ライブは午後からだから、もしかしたら周さんはまだ学校に来ていないかもしれない。それでも「周さんのクラス行ってみたいな」と、志音に言ってみたら快くオーケーしてくれたので、僕らは二人で二年生のフロアに向かった。 途中で沢山の女の子達に囲まれた保健医の高坂先生に遭遇した。次から次へと女子に写真を撮られてる。普段の白衣姿の高坂先生。あれ絶対コスプレと勘違いされてるよね……と、志音と笑う。 苦笑いする高坂先生が僕らに気がつき女子達を軽くかわしてこちらに来た。 「どこの色男かと思ったら愛しの志音くんじゃん。相変わらずかっこいいこと……ってあれ? あ! もしかして渡瀬君??」 僕の方を見て、驚きの声を上げる高坂先生。え? ちょっと? 僕だって気がつかなかったの? 「渡瀬君、可愛すぎるでしょ。一人でいたら襲われちゃうから気をつけてね。志音くんから離れちゃダメだよ……てか橘はどうしたの?」 テンション高めの高坂先生に矢継ぎ早に色々言われ、気がついたら僕は二人に挟まれるようにして歩いていた。アンニュイなイケメン白衣の高坂先生と、ホスト風イケメンモデル。そして女装の僕……何この状況。 ……絶対目立ってる。 すれ違う人に一々振り返られながら、やっと僕は周さんのクラスに到着した。 本格的なお化け屋敷…… 怖そうだな、と廊下で突っ立っていると、ひょこっと窓から修斗さんが顔を出した。 「あ! 志音君、何それ凄え格好いいね! さすがモデルさんだ! 可愛い彼女も……って、ん? ……んー? え? その子って竜太君?」 修斗さんまで、驚き赤い顔して僕を見る。 「マジか! その可愛さ反則でしょ! 周どうした? もう会った? 今、中で客脅かしてるけど呼んでこようか?」 仕事中なのにわざわざ呼んでもらうのは申し訳ないなと思っていたら、志音に腕を掴まれた。 「せっかくだから中に入ろう!」 そう言って僕の腕を引っ張り、入り口まで歩いていく。僕はちょっと怖かったから、周さんが出てくるまで廊下で待っていたかったのに…… 「今なら空いてるからどうぞどうぞ! 」 修斗さんの余計な一声で、志音に引っ張られて中に入ってしまった。 中は暗幕がしっかり張ってあるので本当に前が見えないくらい真っ暗だった。真っ暗な中、生暖かい風が吹いたり、気味が悪い音が聞こえたり……正直僕は暗い所が苦手だ。志音が手を繋いでくれてるから何とか前に進めるけど、そうじゃなかったらこんな所を歩くなんて絶対に無理。 僕は繋いだ手を頼りに恐る恐る志音の後ろを歩いていた。 「ねぇ……怖いんだけど」 「………… 」 「志音? ねぇってば……なんか喋ってよ」 志音が何故か喋ってくれないから余計に怖い。暗いから前が見えないのと、恐怖心で下を向いているから、僕には周りの状況がわからなかった。 不意に首筋に何かが触った。 「ひゃっ!!!」 驚いたその拍子に志音の手が離れてしまった。慌てて志音を探しに手を前にしてバタバタしてみるけど、その手には何にも触らない。目の前に志音がいるはずなのに、途端に一人取り残されたような感覚に陥りちょっとパニックになってしまう。 やだーーーー! どうしようーーー! どうしようもなくなって手をバタバタしていたら、誰かに腕を掴まれ勢いよく引っ張られた。急にに視界が明るくなり、眩しくて思わず目を瞑る。 誰かに抱きしめられ、それが自分の知ってる匂いだとわかりドキドキしながら目を開けると、黒い布を頭からかぶった周さんが僕のことを見下ろしていた。 周さん! そう言おうとした途端、周さんの唇が僕の口を塞いだ。 「…んっ? ん……ふ…… 」 周さんの舌が僕の舌に絡まり、小さく水音が漏れる。パニックの中、突然の周さん。おまけにいきなりキスをされて、僕の頭の中はクエスチョンマークでいっぱい。なにこれ? どういうこと? キスをされながら、少しうっとりしていると、周さんの手が僕の腰にまわり、サワサワと弄り始める。 え? ちょっと!ちょっと? 周さんの唇が離れ「ここ学校!」と抗議しようと口を開いたら、すかさず周さんの手が僕の口を塞いだ。 にたっと笑い、僕の耳元で小さな声で周さんは囁く。 「ここなら誰からも見られないから、声出さなきゃわからねえよ?」 「………… 」 よく見るとここは暗幕と教室の窓の間の小さな隙間…… 窓もカーテンが閉まってるから僕達以外誰からも見えない。でもそうは言ってもいつ誰がくるかわからないし、学校だし…… 戸惑っていると、急に周さんが怖い顔になった。 「なんで志音と一緒に文化祭楽しんでるんだよ。 浮気? ねぇ、浮気?」 意地悪い顔をして、手で僕の口を塞いだまま周さんは僕の耳をぺろっと舐める。 「……んっ、ん 」 ぞくぞくして声が漏れる僕を見て、嬉しそうにまた耳元で「バレちゃうよ? 声、我慢な」と周さんは囁いた。 待って、無理 無理 無理! 我慢な、なんて言いながら、周さんはスカートの中に手を忍び込ませて僕の大事な所を触ってくる。周さんの手で口を塞がれ、敏感な所を弄られ……耳元で大好きな声で囁かれ、もう僕は立っているのがやっとだった。そんな僕に気付いた周さんは僕をカーテン越しに窓枠に座らせた。 「ミニスカート、エロいな……竜太の足、綺麗だ」 僕の前に跪いた周さんは小さく呟き、僕の内腿に舌を這わす。スカートを捲られるのがこんなにも恥ずかしく感じる。周さんのイヤらしい視線に欲情してしまう。上目遣いで僕の反応を見ながら、周さんは焦らすようにして内腿を舐め上げた。 思わず声が出そうになり、慌てて僕は両手で自分の口を塞ぐ。満足そうに周さんはニヤリと笑い、這わせた舌を進ませて来る。その先に期待してしまう僕は自然と腰が浮いてしまう。恥ずかしくてイヤなのに、こんな風に周さんに見つめられると、息が上がって苦しくなる。 「……や、だ。ダメ……です、周さん」 僕はふるふると首を振り抗議するが、やっぱりそれは聞いてもらえず、下着を下ろされてしまった。 「俺以外の奴と手繋ぎデートしたお仕置き── 」 小さな声でそう言うと、すっかり勃起してしまった僕のそこを口に含み舐めまわしてきた。僕は声を堪えるので精一杯……こんなところで、という羞恥心も相まって、いつも以上に敏感に感じる。そんな僕の心情をわかってか、周さんはわざと音を立てるようにして僕のそこを咥えながら扱いてくるから堪らなかった。 恥ずかしい! でも気持ちいい…… 「んっ、ふっ……んっ、あっ……」 僕はあっという間に周さんの口の中で果ててしまった。そのまま周さんは僕が吐き出したものをごくんと飲みこみ、丁寧に舐めてくれる。イッてしまったばかりの僕はそんな風にされて腰が引けてしまった。周さんは笑いながら優しく僕を立たせてくれた。 息を荒げている僕を見て、満足しきった顔をして「行くか!」と僕の手を引っ張る。 周さんと会えたのは嬉しかったけど、こういうのはちょっと恥ずかしいから困る……

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