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周さんの家にお泊り
僕は周さんとのセックスの後、爆睡してしまったらしい。夜になって忘れ物を取りに戻った雅さんの声に飛び起き、寿命を数年縮めた最悪な気分で目を覚ました。
慌てる僕に反して周さんはいたって冷静で、いつも通りの態度で雅さんと話をしていた。僕が寝ている間に体を綺麗にしてくれて着替えまでさせてくれてたから、雅さんはただ単に僕が周さんのベッドで昼寝をしていただけだと思っているみたいだけど、それでも周さんのベッドで爆睡だなんて恥ずかしすぎだろう。
雅さんは目を覚ました僕とも何かお喋りがしたかったみたいだけど、周さんに「早く行け」と急かされて、慌ただしく仕事に出かけていった。
「ごめんな竜太。ちょっとやり過ぎたかな……流石に焦ったわ」
心配そうに僕を見る周さんに、僕は首を振った。周さんがやり過ぎたというより、僕の方がおかしかったんだ。あんなに感じてしまって乱れてしまった。きっと涎やら涙やら顔だって汚かっただろう。シーツも絶対汚してしまってるのに、そんなこと周さんは何にも言わないから申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
「凄い気持ち良すぎて……僕おかしかったですよね。我慢できなかったんです……あんなに気持ちが良かったの初めてで、ちょと抑えらんなかったんです。いっぱい汚してしまったのに……爆睡しちゃって……ごめんなさい」
言っててとても恥ずかしい。
「大丈夫! エロ降臨した竜太ヤバすぎだから!俺は大歓迎だから。いっぱいぐちょぐちょになってもどうってことねえぞ」
「………… 」
周さんの言ってることがよくわからなかったけど、とりあえず大丈夫だって言ってくれてるからもう考えるのはよそう……
それにしても、腰のあたりがズーンと重い。痛みもある。お尻の違和感も暫く消えそうになかった。動くのがとても億劫…… でも時計を見たら既に遅い時間だし、家に帰らないといけない。
「遅くなっちまったな。どうする? 泊まっていってもいいけど……」
「いえ、もう帰りますね」
そう言って立ち上がろうとするも、腰が痛くて一歩がうまく踏み出せない。
嘘だろ? こんなに酷いの?
ふらつく足をなんとかして踏ん張らせていると、ふわっと周さんに抱き竦められてしまった。
「ふらふらしてる。大丈夫か? 竜太、今日は泊まってけ。明日は一緒に登校しよ。な?」
周さんが優しくて僕は素直に頷いた。一度は帰りますと言ったものの、一緒にいられる時間が増えて嬉しく思う。僕は母さんに連絡をして、周さんの家に泊まることにした。
「あ、でも制服が…… 周さん? 明日は僕、早起きして制服取りに一旦家に帰ります」
僕がそういうと、「えぇー!」と周さんが声を上げて面倒くさがり、「俺のを貸してやる」 なんて真顔で言いだすから笑ってしまった。どう考えてもサイズが合わないでしょ。荷物だってあるんだし。
僕をひとりにするのは危ないからと、周さんも一緒に早起きしてくれると言ってくれて嬉しかった。
そして次の日の朝、周さんは約束通り早起きをしてくれた。
一緒に寝て朝を迎えて初めて気がついたんだけど、周さんてば寝起きが可愛い。あんなに大きな体で、んーって伸びをして子どもみたいに目を擦る……それでしばらくボーっとしてパッと目が覚めるんだ。少し早く起きた僕は周さんのこの一連の動作を見て可笑しくて笑ってしまった。意外に寝起きが良くてびっくりだよね。
僕らは支度をして家を出る。
まだ少し早いせいか、人通りもほとんどない。
「恥ずかしいけどたまにはちょとだけ……な」
そう言いながら、周さんは照れ臭そうに手を繋いでくれた。
やっぱり周さんて可愛いよね。
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