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周の奔走

竜太がラッキーボーイなんかに選ばれて、これからの一週間が大変だ。 修斗に聞けば聞くほど、大丈夫なのかと心配になる。竜太はともかく、俺が我慢ならない事態になるのが目に見えてるから、この先のことを考えたら今からどっと疲れが湧いてくるようだった。 一日目は竜太と一緒に登校することができた。学校の中では康介もいるしまあなんとかなるだろう。竜太のことは康介に任せることにして、俺は実行委員のある写真部の部室に急いだ。 「おい!青組のエントリーのリスト見せろ!」 部室に入るなり、俺と同じクラスの写真部の奴に声をかける。そのリストを見て片っ端から声かけりゃ話は早い。 「ちょっと橘君? ダメだよそれは見せられ……」 お前の意見なぞ聞いてねえ! と言わんばかりにそのリストと思われる紙を奪い取り、名前を確認する。思った以上に人数がいてちょっとビビった。こんな人数が竜太にモーションをかけるかと思ったら腹が立って腹が立ってしょうがなかった。 「竜太はもう相手決めてんだよ! 余計なアピールはいらねえからな! 俺がエントリーしてる奴らに言ってくるから、これ貰ってくぞ」 俺はそう伝え、リストを持ってまずは二年の教室へ向かった。 名前を見ると知った奴も結構いる。大体の奴は賭け金狙い。気の弱そうな竜太から脅して金を独り占めしようとしていたクソもいたから、そんな奴らは徹底的に潰してやった。竜太とデート狙いの奴らには、もう選ぶ人は決めてるから誘っても無駄だというひと言で、大抵の奴は納得して身を引いた。竜太の気が変わるかもしれないと言ってなかなか納得しない奴もいたから思うように話が進まず焦れったい。俺は去年の修斗を見てるから、中にはヤバい奴もいるってわかってるから余計に気持ちが焦ってしまう。 二日目も二年と三年、順番に声をかける。俺に向かって「お前には関係ないだろ」と文句を言ってくる奴も勿論いる。関係あるんだよ! ふざけんな! と喧嘩にもなって一々面倒だった。こんな奴らに竜太には指一本触れさせたくはない。 今日は竜太も一緒に屋上で昼を過ごす。昨日の昼は一緒にいてやれなかったから竜太の様子が見られて嬉しい。でも急に竜太が圭さんの家に泊まると言い出した。圭さんの家ならずっと安心だしそれはいいとして、なんで急にそんなことを言い出したのか気になったから聞いてみたら、とんでもないことが起こっていた。 なんで自宅にまで押しかけてんだよ! しかもキスマークまで付けやがって、どこのどいつだ! ありえねえ……竜太が一人で抵抗して追い返したって聞いて、どんだけこいつが怖い思いをしたかと考えたら無性に腹がたってしょうがなかった。 ほんと無事でよかった…… 竜太の首筋に残る痕をじっと見る。見れば見るほどなんとも言えない嫌な気持ちになってくる。竜太にキスしていいのは俺だけなのに…… そう思ったら俺は竜太のそこに口付けていた。 こんな痕、消してやる。俺が上書きして、なかったことにしてやる。夢中で何度もキスをしてたら、竜太が可愛い声を出し始めた。 俺が触れただけで、こんなにも気持ちよさそうに吐息を吐く竜太が可愛くてしょうがない。必死に堪えようとして俺のシャツをギュッと掴んでいる。こうなったらもうちょっと苛めたい……そんな風に思ってしまってちょっとやりすぎてしまった。 にやけた修斗に咎められ、竜太は真っ赤な顔をして俺から離れて逃げて行く。ありゃ結構怒ってたな、と俺は竜太の後を追って保健室に向かった。 怒ってたけど、めちゃくちゃ色っぽい顔してた。あんな顔見せられたら放っておけないよな? 少し勃ってたのもわかってたし、俺は高坂に頼んで席を外してもらった。高坂も竜太が怒ってたのが珍しく思ったみたいであっさり保健室から出て行ってくれたから助かった。 十分間だけ時間をもらう。 高坂が出て行ったのを確認して、俺は竜太のベッドに潜り込んだ。 慌てる竜太に簡単に説明をして早速ズボンを脱がせると、案の定竜太は欲情していて大変なことになっていた。可愛いな……と思いながら竜太のそれを慰めてやると、ダメダメ言いながらもあっさり俺の口内で竜太は果てた。 竜太を怒らせちまったけど、結果俺も竜太を補充できたし気持ちもだいぶ落ち着いた。帰りは陽介さんに竜太を任せることにして、俺はまたリストに目を通して残りの奴らを探して回った。

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