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ひとりでゆっくりお風呂

カチャカチャと何かの音に気が付き、ふと目が覚めた。 あれ? 目の前で圭さんと陽介さんがテーブルを片付けていた。 「あ、竜太君起きた? 疲れてんだね。もうお開きにしたよ」 圭さんが言う。僕は周さんの膝枕で今の今まで寝てしまったらしい。体にはブランケットが掛けられてる。 「お風呂できてるから竜太君、先に入ってていいよ。周も一緒に行ってきな」 一緒に…… 一緒に入ればどうなるのかが目に浮かび、ちょっと躊躇ってしまった。周さんを見ると「遠慮しねえで行ってきな」と言ってくれた。 「俺はめんどくせえしシャワーでいいから、竜太一人で行っといで……」 周さんに言われ、僕はお先にお風呂をいただいた。 湯船にゆったりと浸かりながら、考える。 周さん、隙あらばエッチな事しようとするのに……今日は違った。 どうしたんだろ? でも今日は僕、眠いし疲れてしんどいから、ああ言ってもらえて正直ありがたかった。 ゆっくりとお風呂で体を休め、僕は出た。 「圭さん、今日もお先にありがとうございました」 僕が圭さんにお礼を言うと満足そうに「竜太君やっと顔色よくなってきたかな?」と言って笑った。 僕、顔色悪かったのかな? 全然気がつかなかった。 僕は片付けの手伝いをする。僕と入れ替わりに周さんがお風呂に向かった。 しばらくすると、圭さんに「周のスウェット出してやって」と言われ、用意されてる周さんのスウェットを脱衣所に持って行った。脱衣所を開けると、ちょうど周さんがタオルで身体を拭きながら出てきたところだった。 「お、悪いな。ありがと……」 周さんがスッとタオルの位置をずらしたのに僕は気が付き、その時周さんの肌に見えたものにハッとして僕はタオルを掴んだ。 「待って周さん!これ…… 」 周さんが咄嗟に隠したそこには、痛々しい大きな痣があった。 「いや、いくら俺でもたまにはこういう事にもなるわな。気にすんな。この一発しか食らってないし」 周さんが苦笑いをする。 「周さん、もしかしてこれを僕に見られたくなくてお風呂一緒に入らなかったんですか?」 僕が聞くとクスッと笑った。 「いやいや、そうじゃねえって。いや……これもあるけど、竜太疲れてんだろ? 顔色悪いし、いつも艶艶色白肌なのに今日の竜太の肌、カッサカサ。ストレスで肌荒れまでしてる奴に酷な事出来ねえよ」 艶艶色白肌……カッサカサ。そんなに今日の僕は酷い顔なのかな…… 確かにストレスで疲れてる。 周さん、僕のこと気遣ってくれたんだ。 「竜太と風呂に入っちまったら、また何かしたくなっちゃうからさ」 僕は周さんについてしまった大きな痣を優しく撫でながら「周さん、ありがとう」と伝えた。 「だから! こういう事だって!」 慌てた周さんに手を払われる。 「ヤダ! お色気竜太にやられる! さっさと出てけ〜!」 わけわからない事を言う周さんに、僕は脱衣所から追い出された。

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