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買い物
食事を終えた僕らはファミレスを出た。
「これからさ、残りのお金で食材買って圭ちゃんちに帰ろ。晩飯はみんなで食おう。多分周も圭ちゃんちにいると思うからさ」
歩きながら夕飯は何にしよっか? どうするか……と考える。
「あ! でもまだまだ全然金余ってんだよな。竜太君なにか欲しいもんない? 服とかアクセとかなんでもいいよ。一緒に買い物くらいは行ってもいいよな?」
そう言いながら、陽介さんは自分が服を買いに行きたいのかどんどん先を行ってしまう。仕方がないから僕も陽介さんについて行った。
お目当てのショップに入ると、早速陽介さんは品定めを始める。僕もせっかくだから何かを……何か……
「陽介さん、僕も何か買いたいです!」
僕は陽介さんを呼び止めると嬉しそうな顔で陽介さんが僕の方へ来てくれた。
「何買う? 俺が見繕ってあげようか?」
服を選んでやると言う陽介さんに、僕は首を振った。
「僕じゃなくて、周さんに何か買ってあげたくて……あ、あの……男同士でもおかしくないお揃いのものってどんなのがいいですかね?」
ちょっと照れくさかったけど聞いてみた。自分の服を買うときは周さんと一緒に選びたいから、今日は服は買わない。
「あ、そういう事ね。いいんじゃない? 俺は圭ちゃんとお揃いの結構あるよ。靴下だろ、パンツだろ、Tシャツだろ、バスローブだろ……あとエプロンも。指輪だろ、ピアスだろ……そうだネックレスもあった!」
黙ってるとまだまだ沢山出てきそう。でもとにかく何でもお揃いでも大丈夫そうだね。
「陽介さん達はお揃いのものがいっぱいあるんですね。僕は何にしようかな?」
靴下とかパンツなら、隠れてるから恥ずかしくないかも。ピアスは周さんは開けてるけど、僕はピアス開けてないからな……色々考えていると楽しくなってくる。結局僕は下着のコーナーに辿りついた。まるっきり同じにしようか、それとも色違いにしてみようか……周さんとエッチなことする時に同じ下着つけてたらどんな気分になるんだろう。
「お! パンツにすんの? いいね!」
気が緩んでいたところに突然陽介さんが顔を出すもんだからびっくりしてしまった。しかも考えていたことが考えていたことだけにちょっと恥ずかしい。
「あ、ごめんね、そんな照れないでよ。俺向こうで買いもんしてるからさ、 決まったら呼んでね」
陽介さんはまた向こうへ行って服を物色し始めた。
周さんは僕が見る限り、いつもかっこいいボクサーパンツをはいてる。
どんなのがいいかな…… やっぱりまるっきり同じじゃなくて色違いにしよう。
散々迷ったのち、周さんと僕用にと色違いのボクサーパンツを手に取った。
これを渡したら周さんはどんな顔をするだろう。喜んでくれるといいな。
陽介さんと一緒に会計を済ませて、今度は夕飯の材料を買いに近所のスーパーに行く。
陽介さんが圭さんと電話で話している。やっぱりさっき言っていた通り周さんは圭さんの家にいるみたいだった。
圭さんとの相談の結果、今日の夕飯は焼肉パーティをする事になった。かなりお金も残ってるので、ちょっといいお肉も買える。またみんなで集まってワイワイ出来るんだと思うと凄いわくわくしてきた。
陽介さんと一緒に、カートにカゴを二個も乗せてどんどん買うものを放り入れた。
お肉や野菜、烏龍茶。お酒は安いとこがあるからそっちで……なんて言っている。
あっという間にカゴが満タンになってしまった。調子に乗ってお菓子やらスイーツなんかも買ってしまった。
僕らは重いスーパーの袋を五つも、ヒーヒー言いながら頑張って運んだ。
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