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周のデートプラン
約束のデートの日の朝──
やっと竜太とデートができる。今日は竜太の誕生日だ。このために俺は竜太との色々な事を我慢してバイトを頑張ってきたんだ。俺は早起きをして竜太を迎えに行く準備をする。休みの日にこんな早起きなんて滅多にしないから気分も良い。そう思えるのは竜太と久し振りに会えるから……
迎えに行くと、嬉しそうな笑顔で俺の方へ駆けてくる竜太にドキドキする。久しぶりに見る竜太が可愛すぎて俺はここが外じゃなかったらきっと抱きしめてキスしていただろう。
誕生日の事を俺が知ってるとわかった時のあの表情、この笑顔が見られただけで今までの苦労が帳消しになった気がした。頑張った甲斐があったな、俺!
前に言っていた竜太の行きたい場所、店、やりたい事…… ちゃんと調べて頭にインプットしてある。今日のデートスケジュールもばっちりだった。
朝食から既にデートプランはスタートしてる。案の定、行きたかったカフェだとわかって竜太は喜んでくれた。
出だしは良好。
水族館に行くために二人で電車に乗り込む。結構混んでいて、竜太は人混みが苦手なんだと思い出す。俺がそばにいるけど大丈夫かな? そう思って見てみると、やっぱり不安そうな顔をしていた。
竜太にドアの方に行くよう促し俺が前に立って守ってやると、少し顔を赤くして俺を見上げる。そんな表情をするもんだから、危うくそのままキスしそうになってしまった。やべえ、俺欲求不満だ……
そんな邪な気持ちを誤魔化すために、具合悪いのか? 大丈夫か? なんて聞いてみると、竜太は堪らないといったような顔をして「大丈夫。恥ずかしいから見ないで……」というようなことを溢した。
なんだよ……竜太も俺と同じなんじゃん。そう思ったら嬉しかった。
水族館でも子どもみたいにはしゃぐ竜太。
本気で迷子になりそうな勢いで歩き回るから、見失いそうになり怖くなった。慌てて後ろから抱きしめると、俺の腕をギュッと掴んで振り返るから、堪らず俺はキスをした。
我慢できなかったんだ。でも見つめ合ったら恥ずかしくなってしまった。
それからもはしゃぐ竜太と水族館を満喫した。
人前で俺がくっつくと恥ずかしがって離れようとする竜太だったけど、どうせ知った奴なんかいりゃしないんだし、人目なんか気にしないって俺の気持ちを伝えたら、赤い顔して嬉しそうに笑ってくれた。
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