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竜太しか見えない

今日は凪沙のせいで竜太と喧嘩しちまったけど、それ以外は俺がイメージしていた通りに進んで竜太は凄く喜んでくれた。 今日一日で、俺は何度竜太にキスしたくなった事か……何度抱きしめたくなった事か。あんなに素直に喜んでくれるなんて、本当に頑張った甲斐がある。 予約したレストランも大人な雰囲気で正直俺も緊張したけど、店員が親切で電話予約の時から親身に話を聞いてくれてたから、リラックスして竜太をエスコート出来たと思う。 それにしてもプレゼントでまさかあんなに竜太が泣くとは思わなかった。 竜太の手をとり俺が付けてあげると、とびきりの笑顔を見せて俺に「ありがとう」と言う。涙目で見つめてくるその顔が可愛すぎてなんだか俺まで釣られて泣きそうになってしまった。 恋は盲目…… 好きすぎて愛おしすぎて竜太しか見えない。そんな風になってしまった自分に驚く。でもそれでいいんだと幸せな気持ちになった。 食事の後も何度も何度も自分の手首を嬉しそうに撫でている竜太。そんな姿を見てすぐムラムラしちまう俺ってどんだけだよ…… 今日はこのまま、竜太とお泊まりする予定だ。竜太にはこの事は言ってなかったけど、大丈夫だよな? 少しほろ酔いな竜太を見る。 暗いし、寒そうだし、人もいないから堂々と肩を抱いて歩く。竜太は相変わらず幸せそうな顔をして手首のブレスを撫でていた。 一々仕草が可愛い。俺の言動で一喜一憂する竜太が愛おしい。 もっともっと俺に夢中になればいいのに…… 自分の手首に見惚れている竜太を見つめる。抱いている肩から俺のドキドキが伝わりそうで恥ずかしかった。 「今日はあそこに泊まるよ」 そう言って顎でその建物を指すと、竜太は戸惑いながら不安そうに俺を見た。 「えっと、あそこって…… 」 あ、もしかして竜太は知らないのかもしれない。 「んっと……ラブホ。男同士でも大丈夫なとこだから……」 俺がそう言うと、竜太は恥ずかしそうに俺の服をキュッと握った。 ……なんだよそれ、女みたいなリアクション。てか、女より全然可愛いし。 でも大丈夫かな? 竜太のこのリアクションはイエス? ノー? 「僕、こういう所は入った事ないです」 「………… 」 そりゃそうだろ。あったら困る。 でも恥ずかしそうに俺を見た竜太の表情から、嫌がってはいないとわかって安心した。 「大丈夫だよ。普通のホテルとあんま変わりないから」 そう言って俺は緊張する竜太を連れてラブホに入った。

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