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公園

やっぱり思う所があり「どこの公園?」と聞いてみると、案の定土曜日に修斗さんと行った公園だと小峰は言った。 「小峰さ……もしかして 」 「うん、康介君土曜日に谷中先輩とデートしてたでしょ?」 やっぱり見られてたんだ。ちょっと複雑。 「あ! でもつけ回してたわけじゃないからね! 誤解しないで……たまたま見かけたんだよ。公園で二人でいるの」 慌てたようにそう言って、気分悪くさせちゃたらごめんと謝ってきた。 「そこの公園の移動ドーナツ屋さん、僕も一度食べてみたかったんだ。よかったら一緒に行ってくれる?」 もちろん、そんなの一緒に行くけどさ…… 「なんだよ。見られてたの、なんか恥ずかしいな」 俺が照れてそう言った時、小峰の目付きが鋭く変化した事に俺は気付くはずもなく、呑気にドーナツ屋まで歩いた。 「康介君は何頼む?」 小峰は嬉しそうに俺に聞くけど、実は甘い物はそんなに得意じゃないんだよね。 「俺は飲み物だけでいいよ。小峰食べたいの選びな」 すぐに小峰はドーナツと飲み物を買い、俺らはすぐ近くの席に座った。 小峰が満足そうにドーナツを頬張るのを眺めコーヒーを飲んでいると「ひと口どうぞ」とドーナツを俺の前に差し出されたから、遠慮なくパクッとそれを頂いた。 小峰を見ると、赤い顔。 「小峰? どした?」 「……いや、康介君てば何の抵抗もなくそんな風にパクッと食べてくれたから……へへ、なんか嬉しい」 そうか? よくわかんないけど、喜んでもらえたのならなによりだ。 俺らはしばらくここで他愛のない話をして時間を潰した。 それにしても腹減ったな…… 小峰はドーナツ食ってるし。 「あ、康介君お昼どうする? そろそろお腹すくよね? ファーストフードでも行く?」 「うん、腹減った! 行こっ!」 俺が思っていることがわかったのか、小峰が気を使ってそう言ってくれて今度はファーストフード店へ向かう。 今度は自分でちゃんと支払い、バーガー二種類とポテトと飲み物を頼むと小峰に驚かれた。 「二つも食べるんだね!」 …いや、別に普通だろ? 竜みたいなこと言ってら。 先程ドーナツを食べていた小峰は飲み物だけで、今度は俺が小峰に見られながらバーガーを頬張る。小峰の真似をして「ひと口どうぞ」とポテト一本を小峰の顔の前に差し出してみた。 「あ……ありがとう」 赤い顔をして、オドオドとポテトを食べる小峰が可笑しくて笑ってしまった。 「普通はこういうの恥ずかしいんだってば! 笑わないでよ!」 ますます赤くなり怒る小峰。 「悪い 悪い! 赤い顔しておもしれーんだもん。ごめんな」 あ…… 俺、修斗さんともこうやってリラックスしていられればいいんだけどな……あの人といるといちいち俺ドキドキさせられちゃうんだもん。 やっぱり俺は修斗さんのことを意識しているんだと痛感した。 食べ終わると、今度は買い物がしたいと言い出し、また移動する。 案外忙しいのな。 デートとか言って、小峰はこんなんでちゃんと楽しめているのかな?

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