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不安 心配 恐怖
「康介、今日学校休んでるんです。具合悪いのかな? って思ってたんですけど……電話しても出ませんね……寝てるのかな?」
竜太君が不安げに俺に言う。
具合が悪くて休んでいるなら寝てるってことも有り得るし、電話に出なくても何らおかしくはない。何も心配はなかったんだ。
でも……
「昨日の朝、教室に小峰君が来て康介とどっか行ったんですよね……それから一日、教室に戻って来なかったかもしれない」
その言葉を聞いて背筋が凍った。
小峰が? 今「小峰」って言ったか??
「小峰? 小峰が康介君を連れていったのか? 」
慌てて竜太君に聞くと、どうやら連れてかれたというより自分からついていった感じだったと教えてくれた。
何でだよ!
康介君は絶対小峰と一緒だ。
俺はいても立ってもいられず、飛び出してしまった。でもどこに行ったらいいのか途方に暮れる。そもそも俺が襲われた時、康介君は小峰が犯人だって知らなかったのか? 周が言うには、周と康介君が俺の事を助けてくれたって。康介君が俺のことを助けてくれたおかげで助かったと聞いていたけど……周が小峰達をその場でぶっ飛ばしてて……
それなのに康介君は小峰が犯人だって知らなかったのか?
俺は康介君にちゃんとあの時のことを話していない。
きっと康介君はわからなかったんだ。
参ったな……
ちゃんと康介君に俺から伝えておけばよかった。危ない奴だから気をつけろって。
考えれば考えるほどゾッとする。
……大丈夫だよな? 無事だよな?
とりあえず、一年の知り合い全員と二年生。あと三年のゲイの奴らに連絡をして小峰の行きそうな場所をあたった。これといって有力な情報は得られず時間だけが過ぎていく。
……心配しすぎて泣きそうだった。
俺がされた仕打ちを思い出し、康介君が同じような事をされてないかと考えてると恐怖で体が震える。
いや、大丈夫!
だって小峰は康介君が好きなはず。だから俺と違って康介君が嫌がるような事はしないはず……
でも……康介君が嫌がらなかったら?
ああ、駄目だ。怖すぎる……
康介君、何処にいるんだよ。俺は夢中であちこち駆け回った。知りうる限りの場所や人に電話をかけた。そして竜太君から電話が入った。
竜太君も一緒に探してくれるらしい。ちょうどその電話で充電が切れてしまった。
今いる場所を伝えてあるからガードレールに腰掛けて待った。
ダメだ……
心臓が押し潰される気分。
気持ち悪い。
涙が出そう。
吐きそう。
誰か助けて……
あ……でも違う、俺が何か康介君を怒らせたんだよきっと。それで不貞腐れてどっかに行ったんだ。
小峰とは関係なく……
そうだ、大丈夫。なんでもなかったんだ。俺の早とちり……きっと今頃家に帰ってるよ。大丈夫。
……そうならいいのに。
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