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勉強会開催
「そういうわけだったのね。でもさ、周一人で勉強したって理解出来てないんだから勉強にならないんじゃないの? あ! ……そうだ! 」
そう言いながら修斗さんは携帯を取り出し何かを打ち始めた。
「……俺が勉強教えてやってもいいんだけどさ、俺だと周はちゃんとやらないから……もってこいの人にお願いしたよ。ついでに俺も教えてもらえるし」
そう言って機嫌よくすぐに来た返信を見つめている。
「……誰ですか?」
「圭さん! あわよくば美味いもんも食わせてもらえるかもしれねえし」
なるほど! 圭さんは周さん達より先輩だし、それに圭さんなら周さんも素直に言うことを聞いて頑張ってくれそう。
心強い!
修斗さんは僕と話しながら携帯をスイスイと弄る。
「圭さん、ああ見えて凄え頭いいんだよ。前に一回教えてもらったことあんだけどさ、教え方もめっちゃうまいの! 優しいし……もう惚れちゃいそう!」
「………… 」
周さんが惚れちゃうのは困るけど……
それにしても、喋りながらよくあんなに早くメールが打てるな。修斗さんすごいなぁ……
「……ん、よしっ! 今日は竜太君はあいてる? 周と俺は今日圭さんち行く事にしたけど…… 竜太君は教えてもらう必要ないだろうけど、ワガママ王子が竜太君来ないとヤル気が出ないって言ってるのよ。どうする? 来る?」
周さんと会えるなら勿論僕も行きたい。
「はい。僕も行きます……周さんちゃんと勉強してくれますよね?」
どうだろねえ、なんて笑いながら、康介も部活の後から顔を出すと修斗さんが教えてくれた。
康介は今日はバスケ部の助っ人……でも、修斗さんに会いたいんだろうな。
「じゃ、また圭さんちでね」
修斗さんが手を振りながら屋上から出て行き、僕も食べ終えた弁当を片付け教室に戻った。
教室に入ると早速康介に呼び止められる。
「竜! 俺も圭さんちに行くんだけどさ……実は俺もテストやばいんだよね。竜、教えてくんない?」
両手を顔の前でパチンと合わせ僕の顔色を伺う康介。
「……しょうがないなぁ。僕らも頑張ろうね」
こうして僕たちはみんなでテスト対策に勉強会を開くことになった。
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