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賑やかな勉強会
放課後、圭さんの家につくと既に周さんが勉強を始めていた。
黙々とノートにペンを走らせる周さんの真横に寄り添って、覗き込みながら何かを教えてる圭さんの姿。そんな二人の向かいに修斗さんも座って携帯を弄ってる。
「あ、竜太君。康介君はまだなん?」
携帯をテーブルに置き、修斗さんが僕に聞いた。
「急いで来るって言ってましたよ。なんか康介もテスト頑張らないとマズいみたい……」
僕がそう言うと、修斗さんは嬉しそうな顔をした。
「じゃあ俺が康介君に教えてあげよっと 」
そうだね。僕より修斗さんの方が康介にはいいかも。
修斗さんとお喋りしていると周さんが僕に気付き、こっちに来いと手招きをする。周さんの隣には圭さんが座ってるので、僕は向かいの修斗さんの横に座り、テキストを取り出した。
「え? なに? 竜太も勉強すんの?」
不思議そうな顔で僕を見る周さん……でもテスト前に勉強って誰でもするもんじゃないんですか?
「周は黙って問題解きなさい。竜太君も修斗もお前と違って余裕があるんだよ。周はお喋り禁止!」
圭さんにピシッと言われ、周さんは「ヘイ!」と変な返事をしてまたノートに向かった。凄い素直だ。
僕も所々自信のない場所を修斗さんに確認してもらいながら勉強をする。チラチラ視線を感じ、顔を上げると周さんが睨んでいた。
「何ですか?」
小声で周さんに聞いたら、僕と修斗さんの顔が近いって怒ってた。それを言ったら、周さんだって圭さんとピッタリくっ付いて近いじゃんか……
ちょっとムッとしながらも、周さんのことは気にせず自分の勉強を進めた。
「……修斗さん、どうしたんですか?」
テーブルにペタッと頬をくっつけ、退屈そうな修斗さんが下から僕の顔を覗いてる。
「竜太君、真剣な顔 綺麗だね」
チラッと周さんの方を見てそう言った。
あ……わざとだ。修斗さん、周さんの事揶揄っているんだ。
「修斗さん! 周さんの邪魔しないでください!」
すぐに気付いてそう言うと修斗さんはクスクスと笑った。そして笑っている修斗さんに周さんが消しゴムを投げつける。
周さん……また圭さんに怒られてしまった。
時々中断しながらも、それでも真面目に勉強をしているとインターホンが鳴った。
「あ!康介君来た」
飛び出すように修斗さんが玄関まで康介を迎えに行く。玄関先で何やら康介と修斗さんが揉め始めた。一生懸命修斗さんが康介に勉強教えてあげるって言ってるのに、康介ったら僕に教えてもらうってきかないんだ。
全くもう……うるさいなぁ。
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