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おやすみぃ
「適当にシャワー浴びて寝なよ? 明日も学校だからな。サボらずちゃんと行けよ」
圭さんがペットボトルのお茶を飲みながらそう言うと、周さんが返事をしながら「一緒にシャワーに行こう」と僕を誘った。
「俺まだ動けないからお先にどうぞ。ごゆっくり 」
修斗さんはそう言って僕に手を振る。先に行ってもいいんだけど……一緒にっていうのがなんだかちょっと恥ずかしかった。でもあとがつかえてるし、さっさと済ませたほうがいいよね……
僕は周さんのエッチな攻撃をなんとかかわしながらシャワーを終えて部屋に戻った。
リビングを見ると、ソファーはソファーベッドだったらしく既にベッドに変形していた。そしてそこには康介にがっつりと抱きつかれて寝ている修斗さんの姿。
「……修斗さん、大丈夫ですか?」
「あ、うん。ベッドにして横になろうと思ったらさ、康介、起きるどころかまたがっつり抱きついてきちゃってさ……しっかりホールドされちゃったよ。俺の事抱き枕かなんかと思ってるのかな?」
修斗さんの困った顔……
「俺シャワーいいや。康介起きたら適当に済ますかも……こっちは気にせず、おやすみィ」
修斗さんはシャワーは諦めた様子でそう言った。康介、シラフじゃ絶対ありえない事してる。起きたらどうなっちゃうんだろう ……想像したらちょっと可笑しかった。
「おやすみなさい」
修斗さんにおやすみを言って、僕は前回泊めてもらった部屋に入る。
圭さんの寝室は廊下の向こう。圭さんは寝るからと言って先程寝室へ入っていったので、きっともう寝ているのだろう。明日も学校だし早く起きなくちゃいけないから、僕ももう寝ないとな、と思っていたのに、部屋へ戻るとすぐに周さんに抱きつかれてしまった。
「遅い! 早く寝ようぜ…… 」
寝ようなんて言ってるくせに、周さんは僕の腰を弄っている。おまけに首筋にキスまでしてきた。
「周さん、寝る気ないでしょ……ダメですよ? すぐそこリビング、康介達もいるから…… 」
僕は小声で周さんに抗議した。圭さんの寝室は遠いから気にならないけど……いや、多少は気になるけど、康介と修斗さんがいるリビングはこのドアのすぐ向こう側。普通に喋ってるだけでも声が聞こえてそうなのに、エッチなことなんてできるわけがない。
「はぁ? 大丈夫だよ。康介爆睡してるし、修斗はこういうの全然気にしねえって」
はい? 周さんおかしいって!
「いやいや! 僕が気にしますっ!」
「はいはい、わかりました。シーっ……竜太君はうるさいですね 」
ふざけてそう言いながら、周さんは僕の唇に指を当てた。
「………… 」
僕だって別に嫌なわけじゃないんだ。嫌じゃないけど、時と場所はちゃんとわきまえないといけない。
周さんはニヤリと笑うと、唇にあてた指を僕の口の中へ入れてきた。
「竜太が声を出さなければ問題ないだろ? わからねえよ。俺の指でもしゃぶってて…… 」
そう言って周さんは僕の口内を弄り始めた。周さんの人差し指と中指がうねうねと口の中で悪戯をする。声も出せないし、されるがまま僕は周さんの手を握り、しょうがないからその指を咥えるようにし声を耐えた。
周さんに指を入れられた瞬間わかってしまった。口の中を弄られるのも変な感じがして気持ちがいい …… いつもキスをしながら周さんの舌が絡まるように、その細くて長い周さんの指が気持ちのいい場所を撫でていく。
あぁ……なんか嫌だ……
「あっ……はぁ、やらっ……あまねひゃん、やめれ……ひゃだ……ちゃんと……キスして…」
僕の口から周さんの指が出て行き、かわりに周さんの唇が僕の口を塞いだ。
うん……やっぱりこっちの方がいい。
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