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誰にも渡さない

「……竜太。腰、大丈夫?」 修斗達がやっと部屋から出て行き、意気揚々と竜太をベッドに押し倒したものの、昼間の事が気になり俺は竜太に聞いてみた。 俺の体の下で、頬を染めた竜太が申し訳なさそうに小さく首を振る。 「……ちょっとね、まだ辛いかも……です。ごめんなさい」 ……そうだよ。 昼間あんなことがあって散々エッチしたっていうのに、俺は自分勝手だよな。今夜は竜太を労ってやらないと…… そう思って、俺は竜太の上から体を退かす。 「いいんだよ。謝んな」 二人でベッドに横になり、他愛ない話を楽しむ。 今日はムカつく事があったけど、それ以外はすごく楽しかった。これからも竜太と一緒に色んなところに行きたい。 ……ずっとこいつと一緒にいたい。 「竜太……大好きだよ」 俺はそう言いながら、横になってる竜太をうつ伏せにさせて 優しく腰を摩った。 「周さん?」 不思議そうに俺を見る竜太。 「摩ったら少しは楽になるかなって思って…… 」 そう言うと、竜太は嬉しそうに顔を伏せた。 いやらしい気分にはならず、ただただ竜太を労わり腰をマッサージする。 でもズボン……邪魔だな。 俺は徐にに竜太の腹へ手を差し込み、ベルトを外してズボンのホックを外した。竜太が驚いた顔をして振り向いたのがちょっと面白かった。 「大丈夫だよ、なんもしねえよ」 不安そうな顔の竜太に笑いかけ、俺はズボンを脱がせる。グッと下げたズボンの中から現れたのは俺とお揃いのパンツ。うつ伏せ寝の竜太のお尻がプリンと可愛くて、思わずその双丘に顔を埋めた。 「 ちょっ……周さん? 何もしないんですよね??」 慌てた竜太が俺を睨む。 「悪い、竜太のお尻が可愛くてつい……なんもしねえよ。ほんとに」 でも、本当に可愛い。 小さくて、プリンとしてて……赤ちゃんみたいな肌なんだよな。すべすべでしっとりとしていて……手に吸い付いてくる竜太の肌。 俺は腰を優しく摩りながら、竜太の裸を思い出した。 やべ…… やっぱりムラムラしてくる── 俺に腰を摩られながら、ジッとしている竜太。 俺の手……気持ちいいかな? 竜太の足のつけ根から、パンツの下に両手を滑り込ませた。 やっぱりスベスベで気持ちがいい。 「……周さん? やめてください……」 竜太のスベスベな肌を楽しんでいたら、怒られてしまった。 「だって竜太の肌、気持ちがいいんだもん」 俺がそう言うと、竜太はクスクスと笑った。 「わかりましたから、周さんお風呂入りましょ」 竜太が可愛く笑って言うもんだから、結局俺はまた竜太の上にのしかかりキスをしてしまう。 「んっ……んんっ…んっ、ん… 」 軽いキスなのに、竜太が甘い吐息を漏らすのが堪らない……ほらみろ、やっぱり止めらんね。 俺は頬が赤くなっている竜太の頭を抱え込み、深く深くキスをする。 お互いの舌が何度も行き来して、クチュクチュと唾液の絡まる音が漏れた。 あ…… 俺の体に竜太の固くなったものがあたる。結局さ、好きなやつとイチャイチャしてたらこうなるんだよな。お互い様だ…… 俺が我慢ならないだけじゃない。 舌を絡ませながら、固くなった竜太のそこを下着の上から摩った。 「……あん、や……あ…… 」 俺のキスから逃れた竜太が、首を仰け反らせて堪らない声をあげる。 「周さん……ダメですって……あん……気持ちいい」 ダメと言いながら俺の手に竜太が手を重ねてくる。やめさせようとしてるつもりが全然力が入ってないから拒んでるようには到底思えない。 可愛いな。 俺のせいでこんなになっている竜太を見て愛おしさが湧き上がる。 「竜太が色っぽい声出すから、俺やっぱ我慢出来ねえ……」 そう言って俺は反らせた首筋に顔を埋めた。 「ひぁん……くびっ……だめっ……あ……あん…… 」 竜太の切なく漏れる甘い声を聞いていたら、突然昼間の悪夢が蘇ってきてしまった。 知らない男が竜太にのしかかり、その首元に顔を埋めながらいやらしく体を弄っている光景が俺の頭にフラッシュバックする。薬のせいとはいえ、そんな見知らぬ男の愛撫に艶っぽく声をあげる竜太の姿…… ……胸が締め付けられた。 「んっ!……周さん?」 思わず俺は竜太の鎖骨の辺りにキスマークをつけた。 ひとつ……ふたつ………みっつ…… 竜太は俺のだ! 誰にもやらない! あちらこちらにマーキングするようにキスマークを付け、挙げ句の果てに噛み付いて傷つけてしまった。最悪だ…… 酷い嫉妬、独占欲…… でも抑えることができなかった。 俺は竜太を力一杯抱きしめ、思わず口走る。 「竜太、俺から離れないでくれな?……絶対。俺、竜太がいないとダメだ。俺以外の所には行かないでくれ……な?」 そんな俺を見て、竜太はキョトンとしてから少し笑った。 「当たり前ですよ。僕が周さん以外の所に行くなんて……ありえないです。大丈夫です」 まるで子どもをあやす様に、俺の頭をギュッと強く抱きしめ優しく撫でてくれる。そんな竜太の胸に顔を押し付け、俺は思わず泣きそうになってしまった。 「僕が初めて人を好きになったのは周さんです。初めて愛した人が周さん…… 僕の初めてはみんな周さんなんだから……」 そう言って竜太は俺の頬に手を添え、優しくキスをしてくれた。 やっぱり竜太……可愛いなぁ。 「俺は竜太にメロメロだよ……」 そう俺が言うと、竜太はふふっと笑い「僕もです」とはにかんで笑った。

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