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後ろめたい
昼休みは周さんの教室で修斗さんや康介も一緒に過ごした。
僕はさっきの保健室での出来事でまだ頭の中がプチパニック状態……
「……竜太君、どしたの? 赤い顔して、もしかして熱っぽい?」
修斗さんが気にしてくれるけど、ちょっと今は放っておいてほしいかも。しばらく保健室には行けそうにないや。
ぼんやりとしながらお弁当を突いてると、突然周さんに声をかけられドキッとする。
「俺、今日もバイトあるんだけど時間あるし、一緒に帰ろうぜ」
あ……僕もバイトなんだけどな。どうしよう。
「僕今日は部活に顔出さなきゃいけないので……一緒には無理です。す、すみません」
ちょっと違和感ある言い方になっちゃったかな? 一応笑顔でさりげなく言ったし、怪しまれてないよね。
「…… そっか。わかった」
周さん、ごめんね。
そんな僕を修斗さんも康介も何か言いたそうな顔で見る。後ろめたい気持ちになるから、そんな目で見ないでほしい。
しばらく他愛ないお喋りをして過ごしたけど、次の授業は移動があるから僕と康介は早めに教室に戻った。
廊下を歩きながら、康介が心配そうに僕の顔を覗き込む。
「なぁ、あれはマズイって…… 竜が何か嘘ついてるってバレバレだぞ」
え?
「周さんも特に突っ込んで聞いてこなかったけど、何か微妙な顔してなかったか?」
全然そんなの気がつかなかった……
「ほんとに? 僕、さりげなくバレないように言ったつもりだったんだけど……」
そう言うと康介は吹き出して笑った。
「勘弁してくれよ! 竜って嘘つけねえのな。めっちゃキョドってたし、顔引きつってたし…… あれのどこがさりげなく?」
そんな笑うことないじゃん。そんなに僕、バレバレな態度だったのかな。
「……康介、僕どうしよう」
みんなにバレてるくらいだ。きっと周さんだって不審に思ってる。
「いや、何も言ってこなかったし様子見てみたら? 周さん、こういうの黙ってらんないタイプだから、何も言わないって事は案外ほんとに竜の不自然さに気づいてないのかもしれねえし…… あの人たまにびっくりするくらい鈍感だったりするじゃんか」
康介はそう言ってまた笑った。
そうかな…… そうならいいんだけど。
バレないように、僕はやっぱりなるべくなら周さんに会わないほうがいいのかもね。
僕はこれから周さんにバレないようにするにはどうしたらいいかを考えながら午後の授業を受けた。
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