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すれ違う気持ち
今日も周さんと一緒に昼休みを過ごした。
いつもの屋上──
周さんは無口。僕は自ら周さんの隣に座る。いつもなら当たり前のように「ここに来い」って仕草をするのに……まるでここに僕がいないように周さんは目も合わせてくれなかった。
あからさまに様子のおかしい周さんを修斗さんも康介も口数少なく心配そうに盗み見る。
食欲がわかない……
お弁当もそこそこに僕は片付け、周さんの膝の間に座り直した。無反応な周さんの腕を取り、自分で体に絡ませる。その手を僕が摩っていても周さんは何も言ってくれなかった。
なんだよ…… 何で僕のことを無視するんだろう。
こんなの寂しすぎる。
いつの間にか修斗さんも康介も屋上から出て行ったみたいで僕と周さんだけになっていた。
「周さん? ……昨日の晩の電話からずっと元気ないですね。大丈夫?」
僕は周さんの方を振り向けず、そのまま周さんの手を見つめながら呟いた。
少しの間があってから、頭上から周さんの声。
「大丈夫だよ。どうもしねえよ……」
「………… 」
嘘ばっかり。
どうもしないわけないよね?
周さんがこうなってる原因は僕にあるんだろうなと薄々わかってはいるんだけど、どう言っていいのかわからずに、僕はただただ周さんの手を摩り続けた。
「……今日の夜、電話しますね。周さんバイトでしょ? 僕、周さんとちゃんとお話したいし…… 寝る前に声が聞きたいから…… 」
僕は恥ずかしかったけど、素直に周さんに好きですってことが伝わるようにそう言った。元気がないのは寂しがってるからだと思ったから。
周さんを背にして座っている僕には、その時周さんの表情が強張ったのに気付かなかった。
昼休みも終わるので屋上から出ようと立ち上がる。
「周さん、そろそろ行きましょ」
そう言って振り返ると、周さんの顔色が悪いのに気がついた。
「周さん?……大丈夫ですか? 顔色が…… 」
座ったままの周さんに手を差し出すと、周さんは僕の手から逃げるように体を反らす。
え……?
「……周さん?」
僕は戸惑いながら周さんを見つめると、潤んだ目をして周さんが呟いた。
「大丈夫だから! ……先に行ってて…… 俺、保健室行くわ……」
そのまま俯く周さんに、「わかりました」 とだけ言って、僕は一人教室に戻った。
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