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明けましておめでとう

年明け、竜太と久しぶりに会うんだ! 今日は竜太とのんびり過ごして、明日は初詣。数日会えなかっただけなのに、楽しみすぎて昨晩はなかなか眠れなかった。まるで遠足が楽しみすぎて眠れない小学生だ…… 休み中、会えなかった時のメールのやりとりをぼんやり眺める。 『年越しライブどうでしたか? 今年の年越しライブは必ず行きますね』 『お節料理食べましたか?』 『お酒飲み過ぎてませんか?』 『宿題やりましたか?』 簡単な短い文だけど、メッセージを見ながら竜太らしいと可笑しくなった。ああ早く会いてえな。 お気に入りの服に着替え、久々に髪をしっかりセットする。出掛けるのに身嗜みを整えているだけなのに、珍しく家にいるお袋がニヤついて俺を見ていた。 「何おめかししちゃってんの? 今日は竜ちゃんとデート? よろしく伝えてね」 「……ん、了解」 約束の時間が近づいてきたので、慌てて俺は家を出た。 俺が竜太の家に行く約束。ぼんやりしていたら、きっとスキップしていただろう。そのくらい俺は浮かれて竜太の家に向かっていた。 途中でお袋から貰った金でケーキを買う。竜太の家に行くならちゃんとご挨拶すんのよ!と睨まれた。 …… いつもちゃんと挨拶してるって。してるよな? 竜太の家につき、インターホンを鳴らす。早く会いたくてドキドキしてくる。 ドアを開けた竜太に思わず抱きつかないように、深呼吸をした。 ……俺、重症だな。 でもドアを開けたのは竜太の母ちゃんだった。 「周くん、いらっしゃい。 入って」 「あ……お邪魔します」 「明けましておめでとう。 周くん、今年も竜太をよろしくね」 竜太と同じ優しい目をして、母ちゃんが俺に挨拶をしてくれた。 「こちらこそ! こんな俺ですが、今年もよろしくお願いします!」 慌てて俺も深々頭を下げて挨拶をした。そして持ってきたケーキを手渡し、お袋もよろしく言ってたことを伝えてから靴を脱いだ。 「後でお部屋に持っていくわね、ご馳走様」 竜太の母ちゃんは「ここのお店のケーキ、大好きなのよ」と嬉しそうに笑ってくれた。 「ごめんなさいね…… 今竜太ったら手が離せないみたいだから、周くん先にお部屋に行って待っててね」 俺は「はい」と返事をして竜太の顔も見ることなく部屋に向かう。手が離せないって何やってんだ? 家に来たのにいまだ会えずじまいだ…… 俺は二階に上がり廊下を進む。何度も来ているから言われなくても竜太の部屋は知っている。躊躇うことなく俺は竜太の部屋のドアを開けた。 部屋の中を見ると、ベッドの中で布団に入り寝そべって漫画を読んでる竜太の姿が見えた。 ……? え? あれれ?

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