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サプライズ

竜太にお願いされた── 何かと思ったら、今度の休みは一日あけておけって事だけ。「僕にその日一日、周さんの時間を下さい」だって…… 俺は一日、なにをしてりゃいいんだ? 俺、バカなのかな…… 竜太の言ってる意味がよくわからなかった。 今日はその休みの日。 とりあえずどうしていいのかわからなかったから早起きをした。 お袋は早起きして朝のニュースを見てる俺を見て怪訝な顔をしている。そりゃそうだよな、いつもなら俺は寝ていて、仕事に出るお袋とは顔なんか合わさない。ジロジロと不思議そうな顔をして俺を見ながらお袋は仕事に出かけていった。 ……暇だ。 も少し寝るかな。 俺はまた部屋に入り、ベッドの上に横になった。 『一日時間をください』 竜太は「ちゃんと家にいてくださいね」…… とも言ってたよな。 「はっ?」 もしかして竜太、うちに来んのか? 突然竜太の言った意味がわかったような気がして大いに焦る。そうか! そうだよな。 やべっ! じゃぁ、寝てる場合じゃねぇよな? やっと頭が働いて、少しずつ理解ができた俺は慌てて顔を洗い着替えを済ませた。ちょうどそのタイミングで玄関の呼鈴が鳴った。 玄関を開けると、案の定そこには笑顔可愛い竜太の姿。 やっぱり…… 気付いてよかった。 ついさっきまでスウェットで寝起き状態だったけど、ギリギリセーフ。 「周さんおはようございます」 爽やかに竜太が朝の挨拶をしている。 「あの…… お邪魔していいですか?」 「お…… おう、あがって 」 とびっきりの笑顔で竜太が俺を見る。少し頬が紅潮していて、いつも以上に可愛かった。 ……? そう言えば松葉杖なのに、少し大きな箱を手に持っている竜太。 「竜太、それ何? どうやって持ってきたの?」 不思議に思い聞いてみると、チーズケーキだと照れ臭そうに言う。これがあるから家の前まで車で送ってもらったって…… 「へ? なんだよ、それなら俺が竜太んち行ったのに…… 」 そう言いながら俺は慌てて荷物を受け取り、とりあえずテーブルに置いた。 松葉杖の先端を拭いてやり竜太を部屋にあげると、ある事に気がついた。 なんだ? どうしたんだ? 普段はそのまんまの髪なのに、今日は何やらいい感じにセットしてるし、よく見たら服装もどこか出かけるのか? ってくらいお洒落にキメてる。 「なんか今日は雰囲気違うな? お洒落してどうした?」 思わずそう聞くと、竜太は途端に真っ赤な顔になってしまった。 「あ……あの! 今日は少し遅くなっちゃったけど…… 周さんのお誕生日のお祝いがしたくて……」 赤い顔で、もじもじしながらそんな事を言う。 嘘だろ? マジか! 怪我して大変だって時に、俺のためにこんな事してくれてんの? なにそれ超可愛いんだけど! やべえな! 嬉しすぎてどうしていいかわからねぇ!

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