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今日は特別だから
ドキドキしながらケーキにロウソクを立てた。周さんに火をつけてもらい、二人ででバースデイソングを歌う。
大好きな周さんの声……
あ!でもよく考えたら自分で自分に歌うのってどうなの? 思わず歌わせちゃったけど……まあ、いっか。
照れてる周さんが可愛いかった。
何度も何度も練習して、甘さも調節して、自分では完璧! って思ってたけど、いざ周さんに食べてもらうとなると緊張してしまう。
僕の作ったチーズケーキを口に運ぶ周さんの表情をジッと見つめる。 パクッと口に入れた周さんの言葉を待った。
……どう?美味しいかな?
無言でもぐもぐと飲み込んだ周さんが僕の方を見て「美味い」と沢山褒めてくれた。
こんなに喜んでくれるとは思ってなかったから凄く嬉しい! 頑張って練習してよかった。今日を諦めないで本当に良かった。
しばらく周さんの部屋でゆっくりした。僕の足のせいであちこち歩き回れないから……
周さんのベッドに腰掛けて他愛ない話をしてたけど、やっぱりくっ付いて座ってるとイチャイチャしたくなってしまう。
いつもは周さんの方からすぐにちょっかい出してくるけど、僕の怪我を気にしてるのか全然そんな素振りは見せなかった。
僕だけ欲情してる……
「………… 」
「ん? 竜太どした?」
僕の方を覗き込む周さんの後頭部に手を回し、そのまま強引に引き寄せキスをした。周さんは驚いた顔をしてるけどそんなの気にしない……
だんだんと周さんの力が抜けていくのがわかった。
クチュ…チュッ……チュ……
卑猥な音をたてながら、何度も角度を変え周さんを貪ってしまった。
「んっ……ちょっと? 竜太……? どうした?」
僕に押し倒された周さんは困惑して僕を見上げている。
「……だって、周さん……僕に遠慮してなかなか触れてくれないから…… 僕が動けば周さん、僕の怪我を気にしなくていいでしょ? ……嫌…… ですか?」
こんなことを言うのは顔から火が出るくらい恥ずかしい。
でも…… でも……
「今日は僕がするから……周さん、気持ちよくなって……」
もう一度ゆっくりと唇を重ねる。もう顔がポッポして爆発しそうだ……
そのまま膝を立てた状態で周さんに跨った。
周さんにキスをしながら服を少しずつ脱がしていき、自分もズボンのベルトを緩めた。
「おい…… 竜太? 無理しなくていいぞ。足が……」
無理なんかしていない…… 少しくらい体重かけたって大丈夫だよ。
「周さん、黙ってて…… 僕がこうしたいんです」
周さんの首筋、胸、ピンとしてきた小さな突起にキスを落とす。
周さんの息づかいが僕の頭にそっと触れて、愛しさが込み上げた。
わざと僕は周さんの耳元に囁く。
「周さん…… 愛してます。今日は特別な日だから……たくさんたくさん、僕が愛してあげます」
そう囁いてから目の前の耳朶を軽く食む。
「んんっ…… 」
周さんがピクッと可愛らしく首を竦めた。
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