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デート

エッチな気分になってしまって僕の方から積極的にしてしまった。恥ずかしすぎて何だか色々爆発しそうになったけど、周さん満足してくれたよね。いつもより凄く声を出してくれて嬉しかった。 喘いでる周さん…… 可愛かったな。 少し二人でベッドで微睡む。 周さんはさっきから僕の足を心配してくれてるけど、全然大丈夫だった。何度「平気だ」と言っても、周さんは心配なのかギプスの上から優しくスリスリと撫でてくれた。 「周さん? 大丈夫ですよ。それにそこ撫でてても何にも感じません…… 」 「へ? ……あっそうか」 可笑しくなって二人でふふっと笑い合った。 「周さん、お昼どうします? どこか行きません? デートしましょ」 横になってる周さんの上に軽くのしかかり、ちょっと甘えてみせながらそう言った。デートして食事して…… こういうのも久しぶりだから楽しみだった。 照れ臭そうに僕の頬をなでながら、周さんが微笑んでくれる。 「ほんと、足は大丈夫なのか? いいぞ? 無理しなくて。メシなんか出前でもいいし……」 周さんたら心配性だな。 「大丈夫ですよ。走るのは出来ないけど、もうそんな痛くないし。どこか食べに行って、周さんの行きたいとこ行きましょうよ…… ね?」 「うん、でもなぁ…… 特に行きたいとこ ねぇんだよな。竜太と一緒ならどこでもいいし。どうすっか?」 周さんはちょっと面倒臭がりなところがある。僕だって周さんと一緒なら何だっていいんだけど、このまま部屋でダラダラするのは何だか勿体なかった。 「じゃ、映画行きましょ! 映画館なら一緒に座っていられるから周さんも心配じゃないでしょ?」 僕がそう言うと、やっと周さんはベッドから起き上がった。 あまりお腹はすいてないからって、簡単にファーストフードで済ませることにして、僕らは近くの映画館に向かった。 「今日はね、僕が支払いしますからね」 案の定、周さんに怒られる。 そういえば前の僕の誕生日の時もお金の事でちょっと揉めたんだっけ…… ファーストフードで僕はポテト、周さんはチーズバーガーを頬張りながら話し合った。 夕飯で既に予約してある中華の店は、お祝いなので僕が支払うことに納得してくれた。僕だって周さんのお祝いがしたくてアルバイトしたんだもん。 周さんは、僕がお店を予約してあるって知って驚いていた。 ふふっ…… なんか驚いてくれたり、喜んでくれたり、凄く嬉しい。 映画の時間も迫ってたのでお店を出る。 周さんと並んで歩く。 今回は僕が松葉杖をついてるから、周さんとの距離を感じてちょっと寂しい。 手…… 繋いで歩きたいな。 ああ、でもそれは僕が松葉杖じゃなくても恥ずかしくて出来ないか。 そんな事を考えてたら、すぐに映画館に到着した。 ロビーで飲み物だけ購入すると、中に入り後ろの方の席に並んで座る。座ってすぐに、周さんが僕の手を握ってくれた。 肘掛に手の平をお互い合わせて指を絡める。 ……嬉しい。 たまに僕の指を握ってきたり、すりすりと摩ってきたりする周さんが可愛いって思う。映画が始まってもそれが続く。見えないところで、いけないことをしているようで、ちょっとだけドキドキした。 結局僕は周さんの手の動きが気になっしまって、あまり映画の内容は頭に入らなかった── 映画も終わり映画館から出る。 お天気がいいから少し歩いて公園にでも行きましょうって僕は提案したけど、周さんはすぐそこの喫茶店でお茶にしようと言ってそちらに向かってずんずんと進む。 多分僕の足を気遣ってくれてるんだろう。 僕も周さんと一緒ならどこでもいいんだ。 少し古めかしい感じの喫茶店。ソファー席に座ると思いのほか腰が沈んでちょっと笑ってしまった。 メニューを見ると、プリンアラモードが美味しそう…… 周さんはコーヒーを頼み、僕はオレンジジュースとプリンアラモード。周さんに「子どもかよ」と笑われた。 周さんの好きなメロンをお裾分けして、僕らは暫くの間、喫茶店で楽しく過ごした。

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