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弱虫修斗の変化
「おまえばかじゃねーの? 風邪ひかないように外で元気に遊ぶんだろ?」
そう言って周は凄い力で俺の手を引いて外に連れ出してくれた。
それを見た先生達にまた周は怒られてたけど、初めて自分に気づいてもらえたって思って凄く俺は嬉しかった。
ひとりじゃないんだ。
俺も友達と遊べるんだ……って。
それから数日は周が俺に付き合って室内で遊んでくれた。
俺も同じ年長組だったけど、体が小さかったからきっと周は歳下だと思ってたんだろう。他の奴にチビだの髪が長いだの、おとこおんなだの、もやしみたいだの揶揄われていると、いつも周がそいつらをぶっ飛ばしてくれた。
そして必ずこう言うんだ。
「男はなー、じぶんより弱いやつや、女こどもをいじめたりしちゃダメなんだぞ!」
女こどもって……
自分も子どもなのにね。
今思い返しても笑ってしまう。
でも周らしいや。
体調を崩して少し幼稚園を休んだ後でも、周は俺のところに来てくれて一緒に遊んでくれる。少しずつだけど先生が許してくれて外でも遊ぶようになった。
誰も相手にしてくれなかったのに、周だけは俺を気にして遊んでくれる。
多分根っから面倒見のいい奴なんだろうな。
気は荒いけどね。
周と遊ぶようになって、俺は目に見えて変化が現れた。
気が小さくて自分の意見も言えなかった俺が、自分から話したり意見を言えるようになったんだ。
外で走ったりするようにもなったから、体力もついてきたんだろう。風邪もひきにくくなって親も喜んでいた。
そんな時、俺にとって忘れられないあの出来事が起こったんだ。
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