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やっぱり好きだから

周さんを無視して、修斗さんに話をした。 やっぱり何か隠し事…… しかも修斗さんも一緒らしい。 教室に戻り、康介のところへ行く。 「ねぇ、修斗さんも何か関わってるみたいだよ? 周さんと一緒に隠し事してる…… 」 康介は「へえ」なんて言ってあんまり気にしていなさそう。 「そうなん? 忙しくて連絡くれないのかと思ってた……なんだろうね? あ! バレンタインとか関係ないかな? サプライズとか?」 想像して嬉しそうに話す康介だけど、どうなんだろう? ちょっと違う気がする。 周さんはバレンタインとかあまり考えなさそうだけどな…… 「ねぇねぇ、俺ももしかしたら修斗さんからチョコとかもらえちゃったりするのかな」 「康介、あまり妄想膨らませて期待しない方がいいよ」 「はぁ? なんだそれ。竜、どんだけネガティヴ? ……あれ? 俺今馬鹿にされた?」 ちょっと可笑しい。 「馬鹿になんてしてないよ。修斗さんならそういうサプライズとかしてくれそうだよね……でも周さんは無いな。バレンタインすら気にしてないと思うよ。だから僕は期待しない」 なんだか自分で言ってて寂しくなってきちゃった。 「おーい、竜? 大丈夫? 周さんだってチョコくれるよ、きっと」 そうだったら嬉しいな。 「ありがと、康介……」 慰められちゃた。 なんとなしに携帯を眺めると、メールの着信が入っていた。 いつの間に…… 『今日は一緒に帰ろうな』 メールの差出人は周さんだった。 まだ意地をはって知らんぷりしたっていいんだけど、やっぱり久しぶりの周さんからのメールが嬉しくて、僕は顔がほころんでしまう。 「竜? どした? ……周さんから?」 康介が僕を覗き込んできた。 「うん、周さんから。今日は一緒に帰ろうって。僕さ、怒ってたんだけど……周さんとは口聞かないって怒ってた筈なんだけど、やっぱり嬉しくてしょうがないや。ダメだね、悔しいけど好き過ぎるんだ……」 康介が「竜は素直で可愛いね」なんて言って笑ってる。 そんな素直じゃないよ……僕。 久しぶりの周さん。 早く下校時間にならないかな。 すっかり機嫌も直って、僕は周さんからのメールの返信を打った。 『はい。それじゃあ教室まで迎えに来てくださいね。待ってます』 それだけ打って、僕は携帯を鞄にしまった。

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