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タイミング

だいぶ長いこと待たされ、やっと中に戻ってきた周さん達。各々の手にはたくさんのプレゼントとお花…… 勿論周さんも両腕にプレゼントを抱えていた。 康介を見ると、口を尖らせて複雑な顔をしている。 ……相変わらずわかりやすいな。 「ごめんね、お待たせ。お客さんには帰ってもらったから、俺らも帰ろ」 圭さんが声をかけ、みんなで帰り支度を始めた。 「そういえば圭さん、今日は陽介さん来てないんですか?」 「ああ陽介はね、去年ので懲りたみたい。俺んちで待ってるって」 圭さんは「だから打ち上げなんかしないですぐに家に帰るんだよ」と笑った。 周さんの方を見ると、貰ったプレゼントをひとつに纏めているところだった。 「周さんの、凄いですね! これ全部チョコ?」 可愛いぬいぐるみ付きのチョコだったり、有名店の高級チョコだったり……ざっと見ても十個はある。 凄いな…… 周さんかっこいいもんね。しょうがない。 部屋の奥で康介が騒ぎ始めた。何かと思って見てみると、修斗さんが自分が貰ったプレゼントを康介のバッグに突っ込んでいた。 「これいらないから康介にあげるって! ね? 重たいしバッグに入れといて」 「なんで俺がこんなの貰わないといけないんすか! やめて! 突っ込まないで! やだってば!」 あ……あのバッグの中、康介のチョコも入ってるはず。 「修斗さん! 康介のバッグ、入りきらないですよ。自分で持ってって下さい! そんなに押し込んじゃ康介の荷物も潰れちゃう!」 僕も慌てて修斗さんに声をかけた。修斗さんはきっと康介に対して女の子から貰ったプレゼントなんて興味ないんだよってアピールをしたいんだろうけど、あんな風にしたって康介には伝わらないよ。 僕が大きな声をだして驚いたのか、突っ込んでいた手を止めて修斗さんは康介に「ごめんね」と謝った。 小さな声で康介は僕に「ありがと」と言うと修斗さんの荷物を纏めるのを手伝い始めた。 みんなで揃って外に出る。 チラホラとまだ女の子が残っていたけど、とくに何もなく僕らは解散した。 「竜太は今日は時間大丈夫なんだろ?」 周さんは隣を歩く僕の顔を覗き込んてくる。 ……顔、近い。 「はい……ご飯食べに行きます?」 なんだか変に緊張しちゃう。一緒にご飯食べて、いつプレゼントを渡そうかな。 「うん、あんま腹減ってないからファミレスかなんかでいい?」 僕は周さんと一緒ならどこだっていい。 さっきの大量のプレゼントを見ちゃってから、僕はプレゼントを渡すタイミングが掴めずにいた。

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