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ドキドキ
ライブも終わり、ファンの子達から色々と受け取ってからみんなでライブハウスを出た。
今日は圭さんも家で待ってる陽介さんのためにダッシュで帰っていった。修斗も康介と飯食って帰ると言って仲良く消えていき、俺も竜太と飯を食いに行くことにした。
いつもと何も変わらないはずなのに、この後竜太にチョコを渡すんだって思ったら食欲もわかなかった……
だってすげぇ緊張するし。
参ったな、竜太がまた今日も可愛すぎる。
二人っきりになりたいからと言ってラブホに連れて行った。
「明日休みだし、ずっと一緒にいたかったから嬉しいです……」
上目遣いでそんな可愛いことを言ってくれる竜太を早く抱きしめたい。
部屋に入った途端に我慢できなくて抱きしめた。
竜太が俺にチョコをくれた。
お馴染みのパンツのプレゼントも添えて……
今回は褌の日だからとかなんとか言って、渋い褌までくれる始末。
とにかく、物凄く嬉しくてヤバい。竜太から貰えるなんて思ってなかった。お袋からも聞いていたから、まあちょっとは期待はしてたけどな。
でもだんだん自分の下手くそなカップケーキを竜太に渡すのが恥ずかしくなってきてしまった。
竜太がくれたチョコは、なんだか高級そうな箱に入ったチョコだった。やっぱり俺も買えばよかったかも……と後悔した。
でも! 頑張って作ったんだ。
竜太に喜んで貰いたくて、初めて作ったカップケーキ。
気持ちは思いっきりこもってる。
優しい竜太なら、わかってくれるはずだよな。
ドキドキし過ぎて心臓飛び出しそう。
俺は両手を広げ竜太を呼んだ。
このポーズをすると、何も言わなくても嬉しそうに竜太は俺の胸に飛び込んできてくれるんだ。
可愛くて堪らない……
胸のドキドキがバレてしまいそうなくらい、竜太は俺の胸に顔を埋める。
「あのな、俺からもあるんだ……その……チョコをな、竜太に……」
すげぇ緊張した。
言葉がうまく口から出てこなかった。
でもその後の竜太のあの笑顔。見たら緊張も吹っ飛んだ。
カップケーキの入った箱を渡すと、嬉しそうに蓋を開ける竜太。中を見るなり目をキラキラさせて俺が作ったのかと聞いてくる。
なんだよ手作りだってバレバレじゃん。
まぁ、わかるわな。あんなに下手なんだ。
物凄く不恰好なカップケーキでも、とびきりの笑顔で俺に抱きつき、照れ屋の竜太が熱いキスをしてくれた。
チョコ、用意しておいて本当に良かった。
こんな笑顔が見られて俺は最高に幸せな気分だ。
「竜太……食べてみてよ」
大喜びしてくれる竜太を見て気を良くした俺は、目の前で美味しいって言って欲しくなった。
竜太は俺の顔をチラチラ見ながら、大きな口を開けてかぶりつく。もぐもぐ頬を動かしながら、あっという間に完食してくれて、やっぱり思った通りの笑顔で「美味しい」って言ってくれた。
でもその直後、竜太はなぜだか顔を真っ赤にさせて俺にしな垂れかかってきた。にこにこしながらギューって抱きついてくる。
様子がおかしい……
「どうした? 竜太?」
「あ……あまねしゃん……だいすきぃ…」
とろんとした目で俺に抱きつき舌足らずにそう言うと、恥ずかしそうにまた俺の胸に顔を埋めた。
──は?
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