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どうしたら…
凪沙の言ったことが頭から離れない。
せめて友達でもいいから……また仲良くなりたい。
お願い……
僕は周さんの事を好きだと言う人に協力なんて出来ない。
でも凪沙が必死に僕に縋ってきたのはわかる。わかるから余計に僕は辛かった。
あの後、凪沙からメールがきていた。
その文面を見ても、やっぱり僕は返信が出来ないでいる。
ベッドで横になり、携帯片手に僕はそのまま眠ってしまった。
次の日の朝、康介と一緒に学校へ行った。
浮かない顔の僕が気になるのか、さっきからチラチラとこちらを伺っている康介に、たまらず僕は微笑みかけた。
「なぁに? 僕に何か言いたそうだけど…… 」
康介とは長い付き合いだ。
僕は康介には隠し事は出来ないのだろう。康介は少しの変化にもこうやって気がついてしまうんだ。
ましてや凪沙の事は既に話してしまってるから、心配してくれてるんだと思う。
「竜、何か考え事? 眉間にシワ寄ってんぞ……凪沙とかいう奴の事?」
康介に指摘され、慌てて眉間を指で摩った。
歩きながら、凪沙に言われた事を全て話した。学校に到着するまでの間、康介はずっと不快そうな顔をして僕の話を聞いていた。
校門を過ぎた時、不機嫌になってしまった康介に腕を掴まれる。
「なあ、やっぱりダメだって! 周さんにちゃんと言えって……竜、お前凪沙の事可哀想とか思っちゃってんじゃねーの? ……それ違うかんな! わかってる?」
真剣な顔で康介に言われ、僕は思い当たらなくもない康介の言葉に何も言い返せないでいた。
「それにさ、修斗さん俺にハッキリと言わなかったけど……修斗さんも凪沙と何かあったんだと思う。修斗さんでさえ凄え警戒してんだぞ! だから凪沙とはもう関わるな!」
「………… 」
教室に入ってからも康介は不機嫌で、僕はいたたまれなくなり逃げるように保健室へ向かった。
「竜太くん、どうしたの? さっき康介くんと門のとこでケンカ? 彼、随分怒ってたみたいだけど……その事で竜太くんは元気ないのかな?」
保健室に入るなり、先生にそう言われた。
先生に見られてたんだ。
「いや、ケンカじゃないんですけど……僕が心配かけてしまっていて。自分でもどうしたらいいんだかちょっと悩んでるんです」
康介は本気で心配してくれてる。
あんなに怒ってたのは、僕の事を心配してくれてるからなんだ。それは僕だってわかってる。
でも、どうしたらいいのか答えが出なくて胸が苦しかった。
「竜太くん大丈夫? 僕でよかったら相談にのるよ?」
優しく笑って、高坂先生は僕にそう言ってくれた。
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