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相談

高坂先生に僕が悩んでいることを打ち明けてみた。 周さんと前に付き合ってた女の子から、また周さんと友達になれるよう協力して欲しいと言われた事。周さんや修斗さんはその子と何かあったらしく凄く警戒している事。 僕と会ってる時は彼女は警戒するようなタイプには見えなくて、正直よくわからない事。 僕はその子と周さんを近づけたくないのに、その子の気持ちを考えると協力してあげないといけないのかな……と思ってしまう事。 その事で康介が凄く怒ってるという事。 周さんにはその子と会った事を知られたくない事。 上手く言葉にするのは難しかったけど、先生はずっと黙って僕の話を聞いてくれた。 僕の長い話を最後まで黙って聞いてくれてた先生が一言だけ僕に聞く。 「竜太くんは、その女の子と橘を会わせたいの?」 「嫌です……」 そんなの即答。嫌に決まってる。 会わせたくないっていう気持ちは、初めから変わらない。 「じゃぁ悩むことはないよね? その子に協力しなければいい。康介くんも心配してるんだろ? 僕だってこんな話聞いてしまったから竜太くんの事が心配だよ。そもそも橘はその子の事を避けてきたんだろ? ならこれからも会う必要はないよね」 ……確かにそうだ。先生の言う通り。 「先生、ありがとうございます。僕、メールの返信もしてなかったから……ちゃんと断ることにします」 僕はその場で凪沙からのメールに返信をした。 僕は周さんの『彼女』じゃないけどさ……周さんには好きな人がいるから。付き合っている恋人がちゃんといるから。 周さんが好きな人とは僕の事だし、恋人も僕。だけどこの事実は言う必要もない。 僕は凪沙に協力する事は出来ないという旨をメールに記し送信した。 先生にお礼を言って、僕は教室に戻る。 心配してくれてる康介にも、ちゃんと凪沙に断りのメールを入れた事を伝えた。 「ほんと、もう関わるなよ? 何かあってからじゃ遅いんだから……本当に周さんに言わなくていいの? 別に正直に話したっていいんじゃね?」 僕が周さんに言いたくないのは、周さんが怒るから……とか、心配かけちゃうから……とか以前に、周さんに凪沙の事を思い出してほしくないから言いたくないんだ。 周さんの頭の中に凪沙の存在が湧き出てくるのが嫌だから。 そう、これは僕の汚い嫉妬心。 周さんが凪沙の事をちょっとでも思い出すのが堪らなく嫌なんだ。 「うん……周さんには言わないで。嫌なんだ僕」 そう言うと、あまり納得はいってない様子だったけど、康介は頷いた。 「周さん、今日も休んでるみたいだよ。修斗さんがまた周のサボり癖出てるって言ってた。竜はちゃんと連絡取れてる?」 「うん、毎晩メールはしてるよ。バイト疲れちゃってるのかな。でも学校サボっちゃだめだよね」 僕らはこれでまたいつもの生活に戻ったはずだった。

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