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今更もう遅い

海成が僕のシャツを捲り上げる。 「竜太君、肌が綺麗だね……スベスベしてて気持ちがいい」 そんな事を言いながら、僕の体を弄ってくる。 腰をサワサワと撫で、ツゥーっと舌で胸元を気持ち悪く舐め上げてくる。海成の舌が乳首に触れ、思わず体が跳ねてしまった。 「あれ? もしかして経験済みかな? ここ……感じるの?」 嬉しそうにそう言って両手でそこを抓ってきた。 「うっ…… 」 僕はイヤイヤと首を振ることしかできず、絶望的な気持ちになる。 気持ちよくなんかない! 「 ‼︎……ゔっ? ……ゔっ…! 」 海成が僕のズボンの上から股間を弄り始め、ギュッとそこを握る。 もう嫌だ…… その時、部屋のドアが静かに開いた。 「ねぇ、やっぱりやめてよ。竜太君帰してあげて。私はもういいからさ、航兄……離してあげて……」 凪沙の姿は海成で見えないけど、ドアの前にいるんだろう。入口の方から凪沙の声が聞こえた。 僕の頬にキスをしていた航輝が顔を上げて、物凄い怖い顔をして凪沙の方を睨む。 「はぁ? 今更何言ってんだ? 萎えるような事言わないでよ。俺らこいつ気に入ったからさ、もういいから。凪沙はあっち行ってな」 手をヒラヒラとさせ、凪沙を追い払う仕草をする航輝に、僕の胸元にキスをしている海成もうんうんと頷く。 「兄貴……ごめん……お願いだよ、やめてあげて……」 涙声の凪沙を無視して、二人の兄は僕を弄り回している。 「ねえ! もうやめてったら! ……やだよ、あたしまた嫌われちゃう!」 とうとう泣きながら凪沙が兄達に声を強めて訴えた。 ……凪沙さんわかってくれたんだ。 でも……もう遅いよ。 多分この人達、凪沙の事はもうどうでもよくなってる。凪沙のためじゃなく、自分たちが楽しむために僕を弄んでるんだ。 突然海成がため息を吐きながら僕の上からおり、凪沙の方へ歩いていく。 海成が退いたことで、僕は凪沙の姿を見ることができた。 凪沙と目が合うと、涙を零しながら「ごめんね! ごめん! 竜太君、ごめん……」と僕に向かって謝った。 でもそんな凪沙に歩み寄っていった海成が手加減なく思いっきり平手打ちで凪沙の頬を叩く。その勢いに凪沙はよろけて転んでしまった。 「お前うるさいよ! 早く出て行け。お前の言いたい事はわかったから……お前は好きな奴のとこに行ってこい」 真っ赤な顔をして凪沙は何か言いたそうにしていたけど、キッと睨むと走って部屋から出て行ってしまった。 「………… 」 僕の方へ戻ってきた海成が両足を掴み、僕はとうとう足首までも手錠のような物で拘束されてしまった。 涙が止まらない。 声も出せない……気持ち悪い…… 何をされるのかと怖くて段々抵抗する気も失せてくる。 周さん……ごめんなさい。 僕はまた周さんを悲しませてしまう。 ごめんなさい…… 「竜太君、そんなに泣かないで。痛くしないからさ……ほら、目隠ししてやるから、俺らじゃなくてその好きな奴だと思って気持ちよくなってよ」 そう言って航輝は僕の目にリボンのようなものを結ぶ。 視界までも遮られ、何をされるのかわからない恐怖に襲われる。 目隠ししないで! やだ! 外して…… でも口も塞がってるから話すこともできない。 もう……嫌だ……

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