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第3話

僕が通っている高校は、自宅から歩き電車と合わせて40分くらいの所にある私立男子高だ。 何年か前まで完全寮生だったらしいけど、完全寮生事態の見直しや学生寮の改築に伴い、現在は寮だけではなく自宅からでも通学できるようになったらしい。 昔はお坊ちゃん学校だったというけど、最近はそんなこともなく、僕みたいな一般家庭の生徒も少なくない。 名残を醸す生徒は多々いるけど、そんな勘違いくんがいるのは仕方がないと思った。 年季の入った校舎ではあるけれど造りは豪華だし、学校内の敷地はきちんと整備されていて優美で品がある。。 緑豊かで学校生活もゆとりを持って送れるように中庭に噴水があったりするので、そこに佇んでいると高貴で優雅な気分を味わえたりするからだ。 「あれ、宮ノ内もう帰んの?」 「うん」 「おー!ちょっと待った!一緒に帰ろうぜ」 ポンと気安く肩に手をかけてくる親指が微妙に意味ありげに撫でてくるから、オイオイって感じになる。 割りとモテるらしい?このクラスメイトは恐らく僕に気があるのだろう、さっきから鼻息が荒い…… やたら意味ありげな視線を送ってくる気がするけど、興味はないから至って普通の対応。 蔑ろな態度をとると逆恨みされてしまうかもしれないので、嫌でも顔には出さないようにしている。 まぁ……別に一緒に帰るくらいいいけどさ。 でも鼻息荒いのはちょっとなぁ…… つか、こいつ名前なんだっけ? 「よかったら家まで送るけど?」 「えーそんなことしなくていいよ。僕、電車だし」 「実はさ、母さんが迎えに来てくれてるんだ。乗って行けよ」 ああ……そうか車が待機してるのか……ふーーん家まで送ってもらうとか無理だわ。ないない。 「あはは……大丈夫。せっかくだけど僕さ、駅で待ち合わせの約束があるんだよ。だから電車で帰るわ。ありがとう」 困った顔して申し訳なさそうに微笑むと、「そうか」と言いながら、残念そうに太い眉を下げていた。 うん、その表情いいね。

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