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第8話

宮ノ内 霖(みやのうち りん)17歳。 身長170㎝/12月16日生まれ/B型。 私立蒼央高校2年生。 母親譲りのこの顔で周囲から美少年と言われ、それがコンプレックスだった時もあるけど、開き直ったのは中学の時だ。 それから自分の容姿が女だけではなく、男も惹き付けることに気がついて、学校の先生にお尻を触られたのは中1の時。 その頃、既に詩に自分の想いを伝えていたけれどバッサリとフラれた。 傷心してやけくそになった僕は興味のあることは色々した。 女の子とも付き合ったし、男ともシテみたけどあんまり気持ち良くないし楽しくもない。つまらないから長続きするはずもなく終わった気がする。 だってやっぱり詩が好きだったから。 両親が二人とも仕事の鬼で、家族よりも仕事を優先させてしまうのは若い頃からだったようで、そのせいで母さんは一度離婚している。 その教訓を活かし育児休暇をとったりとなるべく僕と関わるように気をつけ、育児に専念していたみたいだけど、基本子育てに向いていない性格らしく、無理をしていた母さんはストレスで倒れたらしい。 どちらかと言うと父さんの方が料理好きな一面もあったりして、父さんが暫くは主夫をして家のことをしていたみたいだ。 そんなうちの家族を一番近くで見ていて助けてくれたのが隣に住んでいる椿家で、特に椿家に居候していた詩は家事ができて僕の世話も率先して手伝ってくれていたらしい。 オムツ替えから寝かしつけまで何でもやってくれた。 沢山遊んでくれたし、一緒にいるのが当たり前だったので、僕は詩のことを本当のお兄ちゃんだと思っていたくらいだ。 「ねー今日は詩と一緒に寝てもいいよね?」 「ンー」 買ってきた食材を冷蔵庫に入れながら何て答えようか考えている詩を横目に、自分の鞄をリビングのソファーの端にそっと置いた。 「だってー!兄さんいない時はイイよって言ってたー!」 「またそれ!それ言ったの何年前だよー!」 「何年前でもいいの!絶対詩と一緒に寝るからねー!」

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