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第11話
「もう……仕方ないなぁ」
詩の可愛らしい顔が僕の顔に近づき、口から舌が覗いている。
その詩の可愛いさの中に艶やかな色気が漂っているのに気がついた時には、詩の舌が僕の舌に重なり、ペロリと大胆に舐めてくれた。
暖かい弾力のある舌触りがたまらなくいい。
「あ、詩……もっかい……」
「はは、もっかいって霖……止まらなくなっちゃうぞ?」
「うん、それでいいからいっぱい……して?」
……
……
みたいな?
そんな展開になったら僕死んでもいいー!
けど、実際は……
「ンー大したことない。冷たいお茶飲んで冷やしなさい。あ、ちゃんと!ちゃんとメンチは冷ましてから食べること!わかった?」
「ふぁ、ふぁい……」
氷を入れてもらった冷たいお茶を飲みながら、心の中でチェッと舌打ちした。
詩が大人のキスしてくれたら、嬉しいんだけどなぁ……そんな可能性は今のところ皆無だ。
正直そんなに火傷したわけではないし。
普通にご飯も食べれるし。
つか、詩の気を引きたくてやっただけだし!
でも詩が作ったメンチは凄く美味しいし、僕の大好物だからお腹いっぱい食べてしまう。
「美味しいー!」
「はは、霖は好きだもんね」
「うん、超好き。大満足」
「学校の宿題とかはどうした?」
「ん、あるけど大丈夫。簡単だからすぐ終わる。あ、そういえば今日学校で告られたんだよね。トイレで告白ってどう思う?」
「え!ト、トイレ?学校ってことは男の子から!?」
「そう……」
「霖はそいつのこと知っているの?」
「んーん、知らない奴だった」
「そっか……じゃその子は片思いしてたのかな?うちの霖は綺麗だから目立つしねー!うんうん」
そう言いながらホワリと微笑む詩の笑顔がたまらなく好きだ。だけど詩がたまに使う「うちの霖」って言う言い方は、どこか保護者的な発言がして嬉しいような嬉しくないような……正直微妙な感じだった。
「タイプじゃなしー。興味なかったから当然断ったけど丁度その時先生が来てさ、告白タイムは中断した感じ」
「そっか。霖のタイプって……」
「詩くんに決まってるでしょーー」
「あっはは、そうでしたなー!って霖!何回言ったら」
「だってーそうなんだから仕方ないじゃん?ずっと詩が一番好きなんだから。詩が僕のこと抱いてくれたら、僕セックスで気持ち良くなれると思うんだよね。今のところセックスの良さがわからない」
「な、なな!!!!」
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