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第14話
その後歯磨きを済ませ、そのまま寝室へ移動し、ベッドの上に寝転がりながらダラダラするのがいつものパターンだ。
くっそムカつく大き目のダブルベッドは、適度に硬めで弾み寝心地が良い。
このベッドで兄さんと詩はいつもいつもいっつもいっつも!イチャイチャアンアンしているのかと思うと窓を開けて馬鹿野郎ー!って大声で叫びたくなる。
「ねー詩さぁ、この間のクエスト終わった?」
「んーんんん……あんまり終わってない」
「……だと思った。手伝うよ」
「だってさー敵強いしお金貯まらないし」
二人ベッドで横になりながら、スマホアプリのゲームをするのだ。
詩はこれ系は苦手みたいだけど、無理矢理ダウンロードさせて僕が教えながらなんとかプレイしている。
内容が少しづつわかってくると少し楽しさが分かってきたのか、合間を見て遊んでくれるようになった。
なのでこうして時間が合う時は一緒に冒険したりしているのだ。
「あーここでクエスト発生するのか~なるほどね!」
「えー!詩ちゃんと文章読んでる?」
「呼んでるけどさーどこかよくわからないんだよねー」
「ちょっ!それ道具屋で売っちゃ駄目だって!勿体ない!マーケットで高く売れるんだからさー!だから詩はお金貯まらないんだよ。この間ギルマスも言ってたじゃん」
「んあ?そっかぁ~だってさ、アイテムすぐいっぱいになるから面倒くさくてさーパパっと道具屋で処分したくなるんだよねー」
あははーって隣で笑う詩はスマホ画面を見つめながらあくまでのん気だ。
僕もそんなに上手い方ではないけど、詩に比べたらプレイしてる方だし、キャラを強くするために試行錯誤したり、時にはギルドマスターに相談したりする。
ちなみに僕と詩が加入しているいるギルドのギルマスは、詩の友達だったりするのだ。
ギルマスはハッキリ言って強い。
その人は果てしなく強くて、もはや神状態のプレイヤーで僕は密かに尊敬していたりする。
現在は遊ぶ側から開発側となり、ログインも減ってなかなか一緒に遊べなくなったけれど、詩とは定期的に会っているようだ。
「あー!疲れた!今日はこれくらいにしよう」
「クエストひとつ終わらせただけじゃん。これで疲れたとかもう年だよね」
「うるさいな。悪かったね年ですよ年!もう寝よう。電気消すよー」
「ん」
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