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第22話

……うーん我ながら意味不明な発言だったかもしれない。 言えないんです!ってうるうるとウソ泣きしながらその場を立ち去ってみたけど、仲村先輩は納得していないだろう。 絶対また後日しつこく聞きにくる……ってさっきからスマホが光っているのは、恐らく先輩からだ。 ……面倒くさい。 教室に戻り、先に席についていた笹原に手を軽くあげ用事が済んだことを合図した。 「なんだった?また告られた?」 「……似たようなものだけど、少し違う」 「へぇ」 「はぁ……あのさぁ、僕より美形な奴ってどこかにいるかな?近場で」 「は?……えーとそうだなぁ……霖レベルだと……霖の兄さんとか?」 「……近親相姦になるし無理~ごめん。なんでもない」 あんな先輩の言うことを気にしなければいいんだけど、つい考えてしまう。 僕より美しい人ってどこにいるんだ。 僕の愛する詩は可愛いし美人だけど、僕以上の美形ではない。 でも詩は愛嬌があるし、ほんわかな雰囲気を醸す癒し系だ。 詩を抱きしめて濃厚なキスするところをあいつに見せつけてやりたい気もする(キスしてくれないけど!) まぁ、あんな奴に詩は見せないけどね。 兄さんは確かに美しいかもしれない……イヤなくらい色っぽいし……でも兄貴だしそれに会いたくない…… …… あぁ…… くそ…… イライラする…… チラリと少し離れた笹原の席を見つめているとそれに気付いた笹原の顔が真剣な表情へと変わった。 無言で見つめ続ける…… 暫くすると、その表情がにかっと笑顔に…… はは……アイコンタクトは成功。返事もオッケーだ。 もうすぐ午後の授業が始まる時間。 授業が終わってからじゃ待てない…… 下唇をペロリと舐めてから席を立つ。 ゆっくりと目立たないように教室を抜け出して階段を降りると、後ろから笹原がついてくる気配。 「霖ちゃーん今日はどーこー?」 やんわり肩を抱いてじゃれてくる笹原の呟きは熱を帯びていてエロくなっていた。 「今日はどこでしよっかな」

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