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第23話
「あー何かイライラすんだよな」
「たまってんじゃないのー?イライラすると老けるよ霖」
「うるせ」
「はいはい、こちらはいかがでしょうか。早く入って」
そっと扉を開け、隙間からスルリと部屋に侵入する。
この部屋は生徒会室として使われていて、卒業生が描いた絵画や年季の入った大きなソファーが置かれていて、ちょっとした昼寝にも使える快適空間だった。
「この時間は生徒も先生来ないって知ってるし」
「つか、この部屋使われてるのかいまいちわからないよな。生徒会って何してるか知らないし」
「使ってまーす。俺達が」
「はは……確かに……ン……」
お互いのワイシャツの裾を引っ張り出して素肌を触りっこする。
「笹原……触り方がやらしいって」
「そう言う霖だって色目使って誘ってんじゃん」
「だって誘ってんだもん」
「かーわーいーいー」
キスはすぐに舌と唾液を絡ませながら味わう。
笹原はわざと音をたてて煽ってくるから直ぐに興奮できる。
もっと……
もっと……欲しい……
「コホン」
??
ン?
「コホ……イヤ、すまん。すまんな。お取り込み中悪いんだけど、いいかなぁ入って」
は?
え、
やば、先生がいた!?
何気に窓が開いている!
窓を出ると外はベランダになっていた。
そのベランダから声をかけられたので、笹原と僕は抱き合いながらピタリと動きを止め視線を向ける。
カーテンがかかっていたし風もなかったから気がつかなかった。
そもそもそこに人がいるなんて普通ないだろ。
少し開いていた窓が開き、そこからスーツ姿の男が現れる。
……
?
誰だこいつ。
「ここの部屋の扉の鍵さ、壊れてたから普通に入れるんだよな。直してもらわないとだなぁ全く」
「……」
「……」
「あれ、今授業中だよね?君たち、サボりはよくないぞ?」
「……おじさん誰?先生?先生もここでサボってたんじゃないんですか?」
「……おじさんかぁ。そうだなぁ先生じゃないんだけど、サボってたのは外れてないな」
……見上げるような長身のこのおじさん。
先生っぽく見えるけど、スーツの感じからして少し違う感じが漂う。
こんな高級そうなスーツ先生は着てないし、そもそも初めて見る顔だった。
一言でいうと凛々しい顔立ち。
茶色い渋めの革靴はピカピカで良く似合っていて、立ち姿がとてもカッコいい。
「おじさん、カッコいいですね」
「え、俺?はは、ありがとう」
声も低めでいい声してる……
ふわりと煙草の匂いがした。
凛々しい顔立ちはどちらかというと男らしい意志の強さを感じさせられ、女顔の僕とは異なるタイプの男性だと思った。
へえ……いい男発見!
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