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第37話

「悪いな。ほら宮ノ内はモテそうだからつい」 「モテるからって、そういう野宮さんだって絶対モテるくせに。なら野宮さんも軽い男なんだ」 「俺はモテないよ」 「嘘だぁ~!彼女とかいるでしょ」 「彼女ねぇ……いたけど生憎今は一人だよ」 「へー!意外!もう結婚してるかと思った!」 「……おい話が飛ぶな、なんだよそれ」 「あはは、だって優しいし頼りになるし?結婚しててもおかしくないなぁって思って」 「まぁ結婚しろとは言われるけどな。こればかりは一人でできるものでもないし今はする気もない」 「そんなこと言ってたらあっという間にアラフォーになっちゃうんじゃないですか?」 「あはは、大丈夫。本気になったらすぐ見つかるから」 「うわー!何その発言!その自信!」 学校まで送ってもらうまでの間、会話が途切れることなく野宮さんと喋っていた。 気がつけばもう学校の前でえ!もう?って驚いたくらいだ。 あっという間だったな。 「じゃ、また帰りに」 「はーい、ありがとうございます」 お礼を言ってから車を降り、去っていく車を見送った。 ……うーん、野宮さんって話しやすいんだよな。 ついついどうでもいいことまで話してしまった気がする。 ゆっくりと少しびっこを引きながら昇降口に向かって歩く。 時間はかかるけど、テーピングのおかげでこれくらいなら足に負担がかからない。 今日は教室で大人しくしていよう。 「わ……痛い?」 「……痛いよ」 教室に入ってきた笹原は僕の足を見つめ心配そうに眉間にシワを作っていた。 「ね、あいつにやられたの?」 「あいつって?」 「仲村先輩に決まってんじゃん。あの教室に来たときの剣幕凄かったし」 「先輩は関係ないよ。これは僕の不注意が原因だから」 「そなの?」 「そうなの。あーあ、動けないって不便」 「そうだよねーすることできないしねぇ」

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