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第38話
「すること……ってちょっと含みあるよね~」
「そう?」
「あ、ごめん。足痛くてヤル気失せてるからマジごめん」
「俺何も言ってないけど!」
笹原と少しじゃれ合いながらHRが始まるのを待った。
色んなヤツから足の事を聞かれて心配されたけど、何度も聞かれるとそれも鬱陶しくなってきてしまう。
必要以上に寄ってこないで欲しい。
「宮ノ内、帰りは大丈夫?うちの車で送ろうか?」
「あーうん、大丈夫。迎えが来ることになってるから!ありがとう!」
こんなやり取りを何回もした。
……
今日も休めばよかった……そう思うくらいでうんざりだ。
「お迎えって親来てくれるの?」
「んー違うよ。おじさん」
「おじさん?」
「ほらこの間生徒会室で会ったあのイケメンおじさん」
「は!?何それ?どういうこと!?」
「色々あったんだよ」
驚く笹原にあの時の事を搔い摘んで説明した。
「へぇーあのおじさんマジ優しいな」
「だろ」
「それに霖が何なーに?積極的じゃない?おじさん狙ってるの?」
「は?そんなんじゃないけど」
「ふーん。でも霖って結構人見知りするのにさ、そのおじさんとは結構仲良しになってるんじゃないの?送り迎えって普通他人はしないよね?」
「……そう?おじさん優しいからじゃない?」
「優しいにしては……お人よし過ぎね?あ、霖のこと狙ってるとか!」
「それ聞いたけど違うらしい。高校生は眼中にないってさ~」
「ふーーーん」
下心ないって言ってたし。
僕も別に野宮さんのことを狙ってるわけではない。
優しいからそれに甘えてるだけだ。
無条件で甘えさせてくれるような包容力はさすが大人って感じで頼もしい。
それにカッコいいから言う事はないけど、しいていうなら……エロさがない?
……うん、おじさん真面目過ぎて性的な感じがないんだよな。
セックスとかしてるのかな?
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