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第39話
野宮
……
……
「な、なんだ?俺の顔に何かついてるか?」
「………」
その日の午後、約束した時間に学校の駐車場に車を駐めて宮ノ内を待っていた。
結局送りまですることになってしまったが、これはたまたま仕事の調整をしたらたまたま時間が作れた訳で特に何も深い意味はない。
それに行きは送ったのに帰りは自分で帰れよなんて無責任だし、途中で仕事を投げだすようで嫌だという理由もあったりする。
ひょこひょこと歩く宮ノ内が遠目に見えたので、車を降り手を貸してやろうかと思ったが思いとどまった。
いやいや自分がそこまでしてやらなくてもいいだろう……と、言い聞かせる。
やれやれ。
「お待たせしました」
そして、車の助手席に座るなり宮ノ内は何故か俺の顔を凝視しているのだ。
髪がサラサラと靡く。
……くそ……まだ子供の癖に無駄に色っぽい……
その視線に戸惑ってしまう。
綺麗で整った顔はあどけなさもあり可愛らしく、至近距離で見つめられるとさすがにこちらが恥ずかしくなってくる。
「うーん、野宮さんって……」
「……な、なんだ」
「あ、えーと何でもなーい。カッコいいなぁって思って」
……絶対違うな。
直感でそう思ったけど、特に追求することもなく運転に専念することにした。
「明日が休日で良かったな。明日はゆっくり休みなさい」
「はーい、痛いのもうやだし頑張る。あーあでもせっかくの休みなのにどこも行けないなんてツラーい」
「我慢しろよ」
「だってさ~!大体クラスの皆休みは遊びに出かけてるんだぜ。楽しそうな場所とか美味しそうなスイーツアップしてるのに僕だけ家でゴロゴロしてるなんてあり得なくね?」
「へー意外とだな。宮ノ内もそういうのするんだ」
「……実は……あんまりしない」
「おいこら!」
「あっはは!そもそもSNS興味ないし。僕そういうの苦手なんだよね。ほら僕って目立つからさ、そういうことすると女子がキャーキャーうるさいから」
「おモテになりますこと」
「でもお出かけは嫌いじゃないかなぁ」
「……」
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