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第46話
『おじさん誰?』
『おじさん誰って酷いな』
『酷くないよ』
『まだ拗ねてるのか』
『拗ねてません』
拗ねるってなんだよ!
こういうところが子ども扱いしてる気がして面白くないんだよ!
きっと向こうは半笑いでこのメッセージ眺めているんだろう。
そう思うとまた腹が立ってくる。
それに何なんだよ今更!
『明日、いい天気らしいぞ』
『だから』
『オフだから一緒に出掛けようかと思って』
……
……
え、
『足治ったなら行けるだろ?』
え、
え!?
は?
ガバっとベッドから起き上がり(何故か正座)、食い入るようにそのメッセージをガン見した。
は?
明日?
明日って明日だぞ!?
超急じゃね?
何それ!?
こっちの予定とか、まるきし無視してるよね?このおじさん!
で、でも!
『は?明日って何それ!?』
『朝、8時に家に迎えに行くから支度しとけよ』
『え!』
『おやすみ~』
「え、何このおじさん!頭おかしい!!」
そう思わず叫んでしまう。
可愛いパジャマ姿のクマさんスタンプが送られてきたけど、行き成りすぎて脳内が混乱していた。
断る権利を与えられず、一方的に予定を押し付けられた形だ。
マジムカツクんだけど!
久しぶりのメッセージで明日出かけるぞーとか何!
馬鹿にされてるのか僕は!
そんな一方的な約束するわけないだろ!
おじさんの馬鹿!!
明日の予定なんて、明日の予定なんて……
……
空いていたりする。
……くっそ……
明日いい天気なのかぁ……
どこに出掛けるんだろう……?
……
「ば、馬鹿ーーーー!何行く気になってんだよー!こらー!」
頭をわしわしと掻きながら葛藤してる自分がアホらしい。
……急に出掛けるとか……マジありえない。
でもムカツクのに凄くムカつくのに、会いたいって思っているもう1人の自分がいる。
野宮のおじさんに会いたい。
会いたいって思ってた……
そう会いたい。
くっそーー!
おじさんに会えるーーーーーーーーー!!
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