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第49話

「にしても、急過ぎだし」 「そうだな…… 」 「っていうかさ、僕みたいな高校生とは遊ばないんじゃなかったの?」 「うん、俺もそう思っていたよ」 「……じゃ、なんで……」 そう……そうだよ。 人の誘いは断っておきながらいきなり連絡して来て…… で、して来たかと思ったらこんな急な誘い…… 「あの後、暫くその考えは変わらなかった。やっぱりおじさんの俺と高校生の君が仲良くなるなんて不自然だなって思ってたんだ……だけどよくよく考えてみたら……」 「……」 「年齢に拘り過ぎていて、君の純粋な気持ちを傷つけてしまったんじゃないか?って……思ったんだ。酷いよな」 「……僕は年齢なんて気にしたことないよ。ま、年下よりは年上がタイプっていう好みはあるけどね」 「……なんで年上?」 「んーーなんでなかぁ……甘ったれなんだよね、僕」 人差し指の背で自分の下唇を撫でながら呟く。 目の前の流れる景色を見つめながら、隣で運転している野宮さんのあたたかな気配を感じていた。 ……安心する。 まだムカついてるけど、この安心感はなんだろうな。 このおじさん、不思議…… 「あはは、甘ったれね。確かに宮ノ内は甘え上手なところがあるかも」 「別に誰にでも甘えたいとか思わないけど、自然と向こうが気を使ってくれるんだよね。クラスメイトとか妙に優しかったりちょっと特別扱いしてくれたり……そういうの初めは戸惑ったけど、もう慣れちゃったから素直に甘えてる」 「何で特別扱いしてくれるんだろうね」 「……僕がね、綺麗だからだって。僕ってどこか儚げで優しくしてあげたくなるらしいよ。ま、そこに文句言ってくる奴もいたけど」 そんなことで特別扱いされても嬉しくもなんともないし、そんな奴と友達になんてなれた試しがなかった。 唯一、笹原が素で接してくれているから、彼は貴重な友達の1人だといえるだろう。

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