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第52話
野宮
……
はっきり言って、久しぶりに会った宮ノ内は可愛いかった。
会ってそれを再確認したかった気もする。
……
はぁ~俺いくつだ?
大丈夫か俺……
何ガキにときめいてんだよ……
俺ははっきり言って昔からウサギとか猫とか犬や癒し系のゆるいキャラクターとかが好きだったりする。
柄じゃないし、あえて手に入れようとか思わなかったけど、幼い頃は小動物を飼うことに憧れたのを覚えている。
学生の時も可愛い後輩の世話を焼くのが好きだった。
全力で可愛がりたくなってしまう……
朝、コートにパーカーと黒のパンツ姿の宮ノ内は細い足を投げたして待っていた。
サラサラした髪は艶やかで若さがあり、生き生きとしている。
それにあの美形で、彼はまだ怒って拗ねていた。
あの顔で拗ねないで欲しい。
生意気なところがまた可愛いんだと思ってしまうからだ。
はい!おっさんヤバい!
そこがダメなんだよ……そこが!!
はぁ……
やはり会わない方が良かったかもしれない。
そう思いながらも隣に座る少年と今日1日どう過ごすかとワクワクしている自分がいる。
海に行きたいという提案に素直に賛同してくれた時のあのキョトンとした表情……
抱きしめてしまいたかった。
……
俺が惹かれるのだから他人だってそうなのだ。
誰が見ても彼は綺麗だ。
しかし、飲み物を買いに行っているほんの少しの間にナンパされていたなんて驚きだ。
……しかも相手は男とか!トイレから見ていたとかそりゃヤバいし無性に腹が立つ。
ナンパされることに本人は慣れているのかもしれないが、そんな宮ノ内が気の毒でしょうがない。
フードを深々と被った彼は無表情で、それを喜んでいなかったからだ。
生まれつき美少年っていうのも色々苦労があるのだろう。
そんな彼のことを守ってあげたい……ただそう思った。
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