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第70話
「じゃぁ、それまで僕たち清い交際ってこと?」
「そう」
「もうヌイてくれないの?」
「……し、したくなるから駄目だろ」
「オナニーはしてもいい?」
「!し、してもいい!!」
「じゃぁ、お口では?」
「しないしない!こら霖っ!そっちのことしか考えられないのか!」
「だってー!そんなことばかりしてきたんだもの……」
ぎゅうううう……
大きな広いベッドに腰かけて、あいちゃんに思い切り抱きしめられる。
苦しいけど優しい……
大きな手で髪をサラサラと撫でられると、胸の奥がキュンとしてくる。
不思議と霖はいい子だって言われてる気がしてきて嬉しいんだ。
あったかい……
「霖はいい子だ……」
……
何それ……
今のタイミング、スゲー嬉しいかも。
もうあいちゃん!的中過ぎて顔がにやけてしまうよ。
大きな広い背中に腕を回してしがみついた。
「つき合うっていうのはセックスするだけじゃない。色々な所へ出掛けたり、美味しいものを食べたり、二人で同じ時間を過ごすことから始めよう」
「……うん」
「色んな時間を霖と沢山過ごしたいと思っているよ」
「うん、僕もあいちゃんと一緒にいたい。だけどだけどさ!キスはいいでしょ?これまで取り上げられたらマジ僕グレる〜!」
「あはは、そうだな。キスは大丈夫だ。沢山しよう」
少し顔を上げると、優しく笑うあいちゃんと目が合う。
凛々しい眉毛が男らしさを惹きたててカッコいい。
それに加え瞳は穏やかで、優しげな目元をしているから、きっと異性にモテるんだろうと思わずにはいられない。
身長は高いし体格も良く、スーツがとても良く似合っていると思った。
改めて見るととてもいい男だ……
僕とは違う魅力があって、美少年って言われてる僕でも憧れてしまう。
お互いに引き寄せられるようにゆっくりと唇を重ねた。啄むような軽いキスから深いキスへと流れるのは自然のこと……
ちゅ……
くちゅ……
「……はぁ……っん……」
この先がお預けなんて正直嫌だけど……
心が「好き」で、ホカホカと満たされているから……もう、仕方ないなぁ……我慢するしかないかぁ。
あいちゃんって真面目なんだから……
セックスしようっていう誘いはあったけど、我慢しようなんて言われたの今までなかった。
もう変なの……
だけど、そういう所好き。
僕がもう少し大人になったら……
高校卒業したら覚悟しておいてよね!!
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