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第72話

野宮 「これで、僕は高校生じゃなくなったよ」 「はは、そうだな。あっという間だったな」 「……そんなこと言って……僕からしたら長かったよ……この一年は」 ぷうっと頬を膨らませた霖は、卒業証書をポイし、俺のネクタイをむんずと掴んでジャケットから引っ張りだしている。 膨れっ面の霖も可愛いくて好きだ。 「あはは!まぁまぁ、後は……制服」 「……」 「その制服を脱いだら高校生じゃなくなる……だろう?」 「うん、そうそう。わかってるなら、早く脱がせてよ」 跨っている霖の太ももを擦り、腰や背中を撫でる。 かつては俺も着ていた学生服だから、懐かしいあの頃を思い出してしまう。 「少し……勿体ないな……」 「え?」 「あ、いや……制服姿の霖もこれで見納めかと思ったら寂しいなぁって」 そう言いながらも、手はゆっくりと霖のブレザーのボタンを外し、ワイシャツの裾を引っ張りだしていき、少しづつ脱がしていく。 「……そんなこと言ってももう遅いよ。来月からは僕大学生だし。あ〜そうだ、たまにこれ着てあげようか?……あ……」 シャツの下に手を滑り込ませ、脇腹を撫でると、ピクンと霖の身体が反応するのがわかった。 丁寧に素肌に指を滑らし、滑らかな肌触りを堪能する。 「気持ちいいな。ずっと触っていたい」 「……ん……僕だって、あいちゃんに触りたい!」 「はいはい、おいで霖。もう降参だ。解禁しよう」 「もう!僕のこと、抱きたいって思ってる?」 「何度も思ってるよ。会える時も会えない時もいつも思ってた……」 「へへへ」 にっこりと微笑む霖が胸に飛び込んできて、それからはもうお互い夢中でキスをした。 覆いかぶさる霖を仰向けにして、貪るように唇にかぶりつき舌を絡める。 顎から首筋鎖骨に舌を這わせながらネクタイやボタンを次々と外していく。 その隙間から覗く白い胸がほんのりとピンク色に染まっている気がした。 「僕、あいちゃんの脱がしたい」 そう言いながら霖が俺のスーツを脱がしてく。 霖のサラサラの髪を撫でながらも、手際よくスラックスを脱がしていく無駄のない動きに我ながら満足だ。 はは、ガッツいてるなぁ俺。 可愛い恋人をようやく抱けることが嬉しくて仕方がなく、年甲斐もなく興奮しているんだ。 18歳差ってびっくりだけどな…… そんな愛しい恋人と脱がしっこしているのがおかしいし、この上なく幸せを感じてしまう。

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