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番外編1:お薬なんて使っちゃダメ!3
二人がけのアンティーク調のソファに2人で並んで、映画を見ていた。
今回はコメディー映画。
面白いけど、訳をするとなると難しい。
こういう「笑い」って、国によって感じ方が違うからなぁ。
『そろそろお酒もってこようかな』とシンが立ち上がった。
俺は『待って!俺が行くよ!』とシンを止めた。
映画で夢中になってて忘れてたけど、ヒグマ堕ちを試さないといけない。
『ウイスキー?焼酎?ワインにする??』
慌てて、早口で捲し立ててしまう。
シンはそんな俺の様子に少し驚きながらも、『……今日はワインにしようかな』とワインを選んだ。
『OK!俺もワインにする』
リビングを出て、キッチンに行く。
この前、シンが買ってきてくれたチーズをいくつか出して、赤ワインをワイングラスに注いだ。
俺は食器棚から、「淫乱MAX ヒグマ堕ち」を取り出し、1錠だけワインに入れた。
何も考えずに入れちゃったけど、そもそも、溶けるのかな……?
溶けなかったら、砕こうかなと思っていると、シュワシュワと音をたてて溶けてしまった。
うわ、あっという間に溶けた……。
お盆に載せて、シンに媚薬入りのワインを渡した。
『ありがとう』とシンは何も気づかずに、ワインを飲んだ。
『どう?美味しい?』
『美味しいよ。これ、いつも飲んでるワインだろ?』
『まぁ、そうなんだけど……』
変な味とかしない?なんて聞いたら、絶対怪しまれるよね。
シンに隠し事すると、すぐにバレちゃう。
顔に出やすいのかなぁ……。
『マヒロ、眉間にシワが寄ってる』
『え!?』
『……悩み事か?』
『悩み事なんてない、よ?』
『……さっきから、何か様子が変だ』
『え、いや、その……あの……あ!このシーン!!どうやって訳そうかなって思って……外国のギャグって、日本では分かりづらいのもあるからさ』
『……そうか。確かにこっちのコメディーの面白さを伝えるのは難しいな。反対に日本のお笑いを外国人が理解するのも難しいしな』
『そうだよね。こういう仕事が回ってきたら、どう訳そうか絶対悩んじゃうよ』
な、何とか誤魔化せたー!!
とりあえず、何とか乗り切って、映画も一本見終わったけど、全くシンに変わりはなかった。
1錠だと効き目がないのかな?
『そろそろ休もう』
『うん』
シンは洗い物をして、俺と一緒に寝室に行った。
寝室のベッド、前はセミダブルだったけど、ダブルベッドに買い換えてくれた。
広くて、快適。
『おやすみ、マヒロ』
『……うん、おやすみ』
ベッドの中でおやすみのキスをして、シンに抱きしめられながら休むことになった。
あぁ……効果はなかったか……。
明日リベンジしようかな。
「ん……っ、あ……」
眠りに落ちていた頃、体の違和感に気づいた。
肌に柔らかいものが、くっついたり、離れたり……。
俺の乳首をちゅうちゅう吸ってるような音が聞こえてきた。
下を見ると、シンが一心不乱に俺の体を舐めまわしていた。
「え……、シン!?どうしたの!?」
あまりの衝撃に英語も出てこなかった。
俺を見上げたシンは、顔を上気させて、息も荒かった。
目は潤み、欲情しているようだった。
「マヒロ……体が、熱い……急に、マヒロを抱きたくなって……はぁ……っ、マヒロ……」
ま、まさか……ヒグマ堕ち!?
俺はいつの間にか全裸にされており、股間のモノも勃ち上がっていた。
シンにフェラされてたらしく、ぬらぬらとしている。
シンは来ていたパジャマを脱ぎ捨て、パジャマのズボンと下着を一気にずらした。
すると、ボロンと滾ったシンのモノが出てきた。
大きくて、逞しくなったソレを俺の太ももに擦り付けた。
「マヒロ……君が欲しい……はぁ……あぁ、早くここに挿れたい……」
耳朶にシンの熱い吐息がかかり、掠れた切ない声が直接脳内に響く。
太い指が、俺の後ろの孔に沈み込み、浅い所を出したり入れたりしている。
「マヒロを、ぐちゃぐちゃにしたい……」
シンの瞳は潤みながらも、熱い目線にドキドキしてしまう。
「シン……ぐちゃぐちゃにして……」
「マヒロ……っ」
深く口付けしながら、俺の孔を慣らしていく。
奥がキュンキュンしてきて、早く欲しくてたまらない。
でも、きっと欲しくてたまらないのは、シンの方だ。
だって、こんなに余裕のないシン、あまり見たことがない……。
「マヒロ……もういいか……もうっ、限界なんだ……」
「もう、いいよ……いれて……」
俺はシンが挿入しやすいように、うつ伏せになりながら、お尻を上げた。
犬みたいで恥ずかしいけど……シンには丸見えのはず。
シンは息を荒くしながら、俺の中に熱いモノをぐっと収めた。
「あ……っあぁ……!シン……あっ!」
お腹の中に熱いものが流れた。
まだ挿れただけなのに……シンが挿れただけでイくなんて初めてだ。
「すまない、マヒロ……もう出してしまって……でも、マヒロの中、擦りたい……」
出したにも関わらず、まだ硬い。
俺の内側を擦るように、ピストンし始めた。
「あ……っやぁ……!シン!あぁっ!!あっ!」
シンの精液と俺の粘液が混ざって、出し入れする衝撃でたらたらとその液体が俺のうち太ももを汚していく。
激しく何度も何度も擦っていると、ぐっとシンは腰を押し付け、もう一度射精した。
俺も勢いよく白濁した精子を吐き出した。
「シン……すごく気持ちよかったぁ……」
今日は気持ちよく休めそう。
そんな呑気なことを考えていると、シンは俺を仰向けにさせた。
俺はギョッとする。
あんなに出したのに、シンのソレはとっても元気だった。
「まだ……治まらないんだ……マヒロ、もう1回して」
「え、待っ……ちょっと……あぁん!!」
再度、シンは俺の中に挿入すると、自分が出した精液を掻き出していくようにまたピストンし始めた。
「シン、シン!!待って……俺、イッたばっかで、無理……!あ、やぁ……!あっ!」
「マヒロ……気持ちいい、すごくいいよ……!」
熱に浮かされたようにシンは俺の体を堪能していく。
あれから、どれくらい経っただろう。
シンの責めはやっと少し落ち着いてきたけど、何回イッたか分からないくらいイッた。
俺の中で、まだ出し入れしているシンは恍惚した表情で俺にキスしたり、愛を囁いてくれている。
「もぉ……無理……シン、これ以上は無理ぃ……死んじゃうよぉ……」
俺は涙や鼻水でぐちゃぐちゃになった顔で、訴えると、シンは最後の一突きを決めて、何回目か分からない射精をした。
「マヒロ……最高に気持ちよかったよ……」
シンは俺の額にキスする。
俺はやっと終わったと思って……意識をそのまま手放した。
「マヒロ。マヒロ、起きて。朝ごはん……いや、昼ごはんかな。まぁ、どっちでもいいけど、ご飯できたよ」
俺はシンの声で目が覚める。
体を起こそうとしたけど、何だか腰が重い。
その様子を見て、シンはくすくす笑いながら、俺をお姫様抱っこした。
「仕方のない、プリンスだ。お運びいたしますよ」
「え!?お運びって……このまま!?待って!恥ずかしいよ!何か服着させてよ!ねえ、シンってば!」
俺はジタバタしながら、抵抗したけど、全く適わず……。
「ダメだよ」
ダイニングまで連れてこられ、俺をそのまま椅子に座らせた。
「あ、お尻の中は綺麗にしておいたから大丈夫だ」
「え!いつの間に!?」
「君、ぐっすり休んでて気づかないし、よほど疲れたんだね」
「だって、あれはシンのせいで……」
シンは涼しい顔で、向かいの椅子に座った。
「昨日は急に君に欲情してしまい、君をケダモノのように襲ってしまった。すまないと思っていたのだけど、マヒロも原因の一つだっていう自覚はあるかな?」
シンはズボンのポケットから、小瓶を一つ出し、コトリと机の上に静かに置いた。
「淫乱MAXヒグマ堕ち、一回2錠で元気ビンビン……確かにこれはよく効いた」
俺は頭から血の気が引いていく。
ば、バレた……しかも、薬まで見つかってるし。
「あの、これいつ見つけたのでしょうか……?」
「マヒロの昨日の挙動がおかしいと思って、普段使わない食器棚を見たら、すぐに見つかった。昨日、君が入れてくれたワインにでも入れたんでしょ」
うぅ……脳内を読まれている。
「マヒロ、どうしてこんなものを?確かに、最近してなかったけど……私とのSEXは物足らなかった?」
「ち、違うよ!シンとのH、全然もの足らないなんて思ったことないよ。ただ、その……シンはいつも余裕たっぷりで、意地悪な時があるし、俺ばっかり気持ちよくなってるような気がして……ちょっとイタズラしようと思っただけなんだ……入れたのも1錠だけだったし、あんなに効くとは思わなくて」
「……余裕なんて、ない。マヒロのことを考えると、いつだって気持ちがはやる。大学にいても、どこにいても、マヒロのいるこの家に早く帰りたいと思うんだ」
シンの真剣な目が嘘じゃないって言ってる。
「罰として、今日は裸で過ごすこと」
「え!?やだよ!恥ずかしいもん……」
罰ってそんなに怒ってるのかな……?
俺な涙目になっていると、シンはヘーゼルの瞳を緩ませ、俺の傍まできて片膝をついて腰を下ろした。
「じゃあ、プリンス。上手に私の唇にキスをして、謝ったら、許して差しあげます」
普通の人がしてたら滑稽なことも、シンがすると本当の王子様みたいだ。
俺はそっとシンの唇にキスをして、「ごめんなさい」と言った。
「もう、お薬なんて使っちゃダメだからね」
終
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